第4話
「はいはい、いい大人が身なり整えて大金まで出してる癖に、その"花散らし"を彫られた女の裸観てわざわざセクハラかましに来るとか馬鹿なんじゃないの?」
「....は?」
「もっとその金有効活用したら?私はどれだけ大金払われても観ることしか出来ないのよ??」
「なっ」
「その金でオナホールでも買って一人でやってろって言ってんのよこのハゲ!!」
「ッな!お、俺はハゲてなどいない!!」
「将来あんたみたいな色素薄いのはハゲ散らかすっつってんのよボケ。」
背中を見せていたはずの惟が堂々と胸を見せ、仁王立ちで神堂を睨み付けた。
するとすぐに颯が落ちていた襦袢を拾い、惟の前に投げつける。しかし惟はそれを受け取らず、やはり仁王立ちで鑑賞客の前に胸を出し立ちはだかっていた。
「本日はこれにて閉会となります!ご鑑賞ありがとうございました。」
颯が慌てて終了の言葉を放つと、神堂がしびれた足で膝をつき、惟に向かって叫んだ。
「おい!!俺への侮辱はどう責任取るつもりだ!!!金返せ!!」
神堂が立ち上がる直前で、周りの男たちが一斉に神堂の頭を拳銃で取り囲む。
「な、なんだお前ら!!銃刀法違反だぞ?!!」
「.....彼らは警官です。」
颯が正座していた膝を開き、神堂の方へ身体を向ける。颯は静かに息を吸い込むと、その口を開いた。
「惟の無礼な振る舞いを私めから謝罪させて頂きます。申し訳有りませんでした。」
「.....そ、そんな謝罪でこの俺が引き下がるとでも....?....お、俺は高良惟からの謝罪を望む!!」
神堂が銃口に触れぬよう、再び膝を畳にしまうと、震える声で威勢を放った。他の鑑賞客も立ち上がれないままその様子に息を呑む。
颯は神堂に鋭い眼光で迫った。
「では惟への侮辱はいかがして責任を取るおつもりでしょうか?」
「....は、」
「先に侮辱を口に出されたのは神堂様にございます。その責任はいかがなさるおつもりでしょう。」
すると周りにいた夫人らが、「桜風鳴さんが可哀想」だの「セクハラ問題だわ」と小声でやじを投げた。
神堂は顔を赤くし銃口を突き付けられたまま惟に向かって頭を下げると、ようやく閉会が訪れた。
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