第3章 真実

第32話

えっ!!



「天宮さん。

あたしの話しを聞いてください。」



「分かりました。

手を離して、ソファーに座ってください。」



「はい。」



三月さんは、ソファーに座ると話し出した。



「実は、前から天宮さんのことは知ってました。

病院で何度も見掛けているんですよ。

ナイフで刺された時も、葉月先生と手術に立ち会いました。

葉月先生は、天宮さんを必死に助けようとする姿を見てたら、あたしも徐々に天宮さんのことが気になり始めたんです。

天宮さんが病気で入院してる時や光理さんのことで天宮さんが必死に助けようとする姿を見て、優しくて思い遣りのある人だって直ぐに分かりました。

既にあたしは、天宮さんに惹かれていました。

光理さんが亡くなって、葉月先生から織田さんと旅に出たと聞かされた時は、天宮さんが再発しないか心配でした。

ある日、葉月先生から天宮さんが日本に戻って来て会社を建ち上げたと聞きました。

そして、学会の帰りに天宮さんの会社に寄ることを聞いて、葉月先生に打ち明けました。

天宮さんの傍に居て、天宮の助けになりたいこを。

葉月先生は、頷いてくれて、[天宮くんは、もう恋はしないと思うよ。

それでも一緒に来る覚悟はあるの?]って聞かれて、あたしは、それでも行きますって答えました。

葉月先生は、[分かりました。天宮くんには、迷惑が掛からないようにする為に、私が天宮くんのお母様や綾瀬さんのご両親、織野さんのご両親に挨拶をして来ます。]って言ってくれました。

今のあたしは、天宮さんになにもしてあげれないかも知れません。

それでも、天宮さんと一緒に居たいんです。」



脳裏に衝撃が走った。

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