第26話

「あ!あれって、東乙菱と矛兎百奈じゃね?」


「……この距離でフルネーム出てくるお前って監視システムより凄いんじゃない?」


「そういやあさあ。東さんと同じ中学だった奴が言ってたらしいんだけど、東さんって男だって噂あんだよねえ」


「……へえ。」


「そこ、興味。」


「興味なら、まだ矛兎百奈のがある。」


「え?好きなの?」


「惜しい。」


「じゃあなに?巨乳だから興味あるとか?」


「だいぶそれた。」            

  


俺、矛兎百奈って嫌いなんだよね。大嫌いよりの嫌い。



容姿とか、あざといとかそういうことじゃなくてさあ。ほんと苛々してしゃーない。



「東乙菱ってほんとに男なんかなあ。」


「そんな気になるならいっぺん寝てみれば?」


「……マジ?」



カルボナーラは好き、矛兎百奈は嫌い。米と肉が好き、矛兎百奈キラーイ。


 

矛兎百奈と一緒にいる東さんのことは全然嫌いじゃないけど、矛兎は存在自体うざい。

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