第7話

「今度からは百奈に首輪つけとくから。ほんとごめんね?マチミちゃん。」



頬を染める真智美ちゃんたちが、駅に着くなり慌てて出ていってしまった。



朝の憂鬱な電車時間が、機転を利かせた盾狼君により緩和された日。



真智美ちゃんたちが見えなくなれば、ようやく私を開放してくれた。




「……静電気、発電してる?」



ピリッと走った静電気に、盾狼君が怪訝そうに眉をひそめる。



自分の手の平を数秒見つめてから。私の手を取り私の手の平も見つめる彼。とある科学の超電磁砲レールガンを疑っているらしい。



そんな背の高い彼を、安堵の笑顔で見上げてみる。



「発電してる。私に気安く触らないでって。」


「へえ。あ、礼はいらないから。」   


「そう?今からお礼を伝えるつもりだったのに。」


「ううん、マジ必要ないって。」 



ありがとう。は、いらないと言うから、「バイバイ」と雑に手を振り、ホームの階段を降りようとした。



「その代わり、相殺して。」


「へっ?」


「いいから、ちょっとこっち来て。」


  

盾狼君に手を掴まれて、再びホームへと引き戻された私。



低いのに、透き通るような色っぽい声。電車の走行音よりも私の耳に届く。

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