第4話

サークルを解雇されるの、これで3つ目。



何をしたわけでもなく、ただ私の可愛さにほだされちゃう男の子が後を絶たないんだよ。



うぬぼれなんかじゃないからね?事実をいってるだけだから。



「私と佑星が、どれだけ愛し合ってきたと思ってんの!」



真智美ちゃんが、声を震わせて鬼の形相で迫りくる。ごめん!知りたくもない!



「というか私だって、好きで佑星君に好かれてるわけじゃないんだって。」



本音が口から出ちゃって、朝からアドレナリン全開の真智美ちゃんを無意識に威嚇しちゃう。 



矛兎百奈ほくともなのユニークスキル:不意に女子の反感を買う




「ふっざけんなよお前っ」



後ろの子が吠えて、もう一人の子に肩を押された。



窓際の手すりに背中が当たって痛い。冬の冷たい手すりの固さを感じる。



でも頭には、何か温かいものが乗った。



「俺の彼女がなんかしたみたいで、ごめんね?」



見上げれば、そこには背の高いスーツ姿の男子が、私の頭に手を乗せている。



美しいとかイケメンとか。そんな単純な言葉じゃ言い表せないほどの、かっこよすぎてごめんって言いたげな男子。



突然すぎて、私の表現力がよわよわだ。

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