第16話

家の中に戻ると、既に夕方になっていた…。




奈緒と母さんは、夕飯を作り始めた…。




俺は、テレビを部屋で見ながらリハビリをしていた…。




「けん🎵

ご飯出来たよ…🎵」




「今行くよ🎵」




食卓に行き、覚束ない手で箸を掴みおかずを掴む…。




家族に見守られながらおかずを口に運ぶ…。




「けん🎵

段々掴む早くなって来たね…🎵🎵」




「うん🎵」




母さんは、何も言わずに心配そうに俺が箸でおかずを掴む毎にほっとする…。




20分掛けてご飯を食べ終わると、今度はリハビリをする…。




奈緒に見届けられながらリハビリをしていく…。



固唾を飲んで母さんは見ていた…。




「けん🎵

今度は左手ね…🎵」




「うん🎵」




母さんは、涙を堪えながらリハビリを終わるまで見ていた…。




リハビリが終わると母さんは、風呂に入り泣き叫んでいた…。




居間に居る俺と奈緒に聞こえる程に…。




「なお…。

俺って親不孝かな?」




「そんな事ないよ!!

ただ、お母さんは今日初めてけんのリハビリを見て驚いただけだよ…!!」




「なお…。

ありがと…。」




暫くすると母さんは風呂から上がり…。




「スッキリした…!!

母さんが居ると2人でお風呂に入れないだろうから先に寝るね…」




言い残し母さんは、寝室に行った…。




俺と奈緒は一緒に風呂に入り、奈緒に頭と背中を洗って貰い、湯船に浸かると…。




俺は、溜め息を吐くと…。




奈緒にお湯掛けられ…




「けん🎵

明るくして行こうよ……!!!!

今は辛いかも知れないけど、お母さんも少しづつ慣れるよ…。」





「うん🎵ありがと🎵」





風呂から上がり、奈緒に髪を乾かして貰い奈緒はルナを連れて俺の部屋で何時ものようにルナをベッドの真ん中で寝かせ、俺と奈緒はベッドの端で眠りに就いた…。

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