第15話

「母さん…。

分かってたんだね…。

親戚ってヒロシくんから聞いたんだね…。

佐藤さんの友達だからね…。

俺は、哲が亡くなった時に全てを捨てるつもりで走ったんだ…。

でも、今は後悔してるよ…。

みんなに迷惑も掛けて反省もしてるよ…。」






「けん…。

広志くんって、一緒に釣りに行った広志くんだよね…。」





「そうだよ…。

ヒロシくんは昔、バイクや車のメカニックを遣ってたんだ…。」





「そうだったんだ…。

けんのレースの謎が漸く解けた気がしたよ………。」





「健は昔から余計な事は言わないからね。

1人で抱え込むし、人一倍苦労させられて来たよ…。

母さんは、健の歩んで来た道をとやかく言わないから、奈緒ちゃんに苦労と心配だけは掛けないようにね…。

母さんは、やっと健に話せなかった事を話せて気が楽になったし、健の覚悟も出来たから泊まっていきなさい………。」





母さんは、先とは違い穏やかな顔を見せた…





「なお🎵

泊まって行こう🎵」





奈緒も微笑み…。





「うん🎵

そうだね…🎵」

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