第29話

家に着くと…。



「けん…。

赤ちゃん可愛いかったね…。」



「そうだね

じゃあ今から子作りする…?」



聞く前に、奈緒を寝室に連れていき、何回も抱いた…。



「けん。抱きすぎで疲れた…。」



「だって1ヶ月も抱いてなかったんだよ…。」



「退院してきたばかりなのに…。

傷口開くよ…。」



「えっマジで!?

まさか縫合ミスとかガーゼが身体の中に残ってたりしないよね?」



「するわけないでしょ」



俺は、あのときの意識がないときの事を奈緒に語った…。



「なお。あのときずっと声を掛けててくれたよね。

ずっとなおの声が聞こえてたんだ、でも眠くて起きられなかった。

なおがいつの間にか止めていたはずの交換日記に俺のことばかり書いててくれいるのを読んだんだ…。

けん。自分に負けるな…!!

それが夢のなかで、なおとの記憶が蘇って、まだ死ねない、死ぬわけにはいかない。

まるでなおが不死鳥の姿に変えて俺のことを迎えに来てくれたんだよ…。

ほんとにありがとう」



奈緒は涙ぐみながら



「けんがあまりにも起きないから迎えに行ったんだよ。

これからは起きてって言ったら起きてね。」



「うん。わかった。」

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