第32話

当初の予想を上回る注文が入って来ていたので、心平はパートを倍の人数に増やした、一か月が経っても連日、予約で一万個が完売していたことから、パート全員から心平に一万二千個に増やしてはとの提案をもらい、全員がそう言うのであればと言うことで、二か月目から一万三千個に増産した、更に三か月後には一万四千個に増産したことで、麗奈以外のパート全員に通し(一日八時間拘束の七時間勤務)で勤務してもらうようにお願いをして、四か月後には更にパートを20名増やした。


そして一万五千個に増産したことで、月商三千万円になっていたので、かき氷屋の開店をして、翔平と孝子と江口を正社員にして、孝子と麗奈と江口でかき氷屋を担当してもらい当面は金、土、日だけの営業で四季を通じてフルーツ百パーセントで営業して、パートも麗奈のSNSで募集した。


更には、かき氷屋の隣の貸店舗が空いたとのことで、翔平に正社員として店長を任せ、土田も正社員にして一緒に金、ド、ニチだけ営業のレストランを開業させた。


大工の鈴木も正社員にして、各店の造作を頼んだ、大工時代の仲間の設備屋や電気工事士を連れてきてくれて棟梁として采配を振るっていた。


そしてその他の飯尾、浜辺も正社員にした。この日の営業終了時に麗奈から相談を受けた心平だった。


「社長、私、大学を休学しようと思っているのです、理由はパートで入社した正社員希望の人たちが皆、正社員になったのに私だけパートでいるのが嫌なので」


「ワシャ、麗奈にゃあ、大学はちゃんと卒業してもらいたいんじゃよね、うちの商売の為にお前の人生を変えてしまうなぁ、社長として嫌なんよね。じゃけぇ、麗奈の今の本分は大学生なんじゃけぇ、それを全うした上で、その後に正社員として就職するならええけど、休学をして、うちの仕事をするなぁ、やめてほしいんじゃ」


「はい、社長の言う通りにします」

「じゃったら、あと一踏ん張りじゃけぇ頑張ってよ!」

「はい、分かりました」と麗奈は素直に従った、

「麗奈は何言うても、一番の功労者じゃけぇ当然、正社員になってもらうし、麗奈の有言実行のお陰で、株式会社にもなったから大学卒業後には、桔平の役員になってもらおうと思うとるけど、やってくれるかな?」

「えっ、私がですか?」

「うん、専務取締役だけどええかな? 親父にゃあ、会長になってもらうけどのぉ」

「はい、喜んで」と麗奈はその場でピョンピョンバねをして子供のように喜んだ、


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