第27話
麗奈は続けた。
「それでは、江口さん、宜しくお願い致します」
「只今、ご紹介に預かった、森高千里さんを妻に持つ、イケメンで背の高い江口洋介さんたぁ、一字違いも江口陽介でがんす、あの江口さんたぁ正反対で背も低うし嫁にも逃げられた、お恥ずかしい限りじゃ、更にゃあ会社を首になりまして、様々な会社に再就職の応募をしたんじゃが、コトゴトク不合格になった。そこで正社員を諦めてパートで勤務する決意をして、この会社に最初に面接に来さして頂き、社長との面接では履歴書を開ける事のうて、『週休二日で一日五時間の勤務でしゃーなー?』と訊かれた。
『はい』答えると、『はい採用させて頂くけぇ、江口さんのお話を伺わしてつかぁさい、何でもええけぇ』と言われました、私は先ほど話したような事を社長に話した、こんな男ですが、どうぞ宜しくお願い致します」拍手喝采だった。
その他のパートが次々に自己紹介した。その後、麗奈が言った。
「では大羽美紀子さん、お願い致します」
(波音リツ)
「只今、ご紹介に預かりました、大羽美紀子でございます。先ほどの前沢様同様に私も人様のお役に立てる事が出来て嬉しく思っております。私は他界した主人と共に、市内で税理士事務所を営んでおりました。一所懸命に業務に当たりたいと思っております。どうぞ宜しくお願い致します」
その後もパートが次々に自己紹介をしていった、
「それでは、パートの美浦翔平さん、お願いします!」
「三浦翔平でがんす、高校を卒業して大阪の調理師専門学校を主席で言いたいところじゃが、学年で二番の成績で卒業し、市内のホテルに就職して、双子の姉と二人で4年前に退職して、日本一周の車旅に出よう思うたんじゃが、今回のこのコロナのお陰で断念することになって姉たぁ、別々の職場でアルバイトをして勤務しとったんじゃが、毎日見よる麗奈さんのSNSを見て姉と一緒に、勤務ができたらと応募した。どうぞよろしゅう、お願いします」
「ありがとうございました、では、お姉さんの美浦孝子さん、お願いします」
「美浦孝子です」と言った途端に周りから「弟さんと顔がそっくりだね?」との声がザワザワと聞こえた。
「私も弟の翔平と一緒にこちらの会社に就職させて頂きました。私はホテルで勤務している時にこちらの社長が一人でこのお店を切り盛りしている時からのファンで、お菓子もさることながら、私は社長が憧れの人でした」と言ったと同時に周りから「ヒューヒュー! 社長! 孝子さんみたいな美人さんから求められて、どうするんですか?」との質問が飛んだので心平が慌てて言った。
「すまん、とにかく、この心平まんじゅうを成功させたいけぇ、どうか、皆さまのご協力が必要じゃけぇ宜しゅうお願いします」
「真面目か!」と飯尾が言った瞬間に、全員で爆笑した。
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