第42話

 ラトナ艦隊を襲って来たレッドマーカーの艦隊は中央の超巨大なラトナ艦隊、右の巨大なホプキンス艦隊、左の数が多いブラッド艦隊に加えて後方を荒らし回るジーニーの小型高速遊撃艦隊の4つの艦隊と3正面から撃ち合い、中央と左右の3艦隊によるクロスファイア+後方での縦横無尽のラトナのシルヴァマキナとジーニー遊撃艦隊の攻撃に散々に食い散らかされた。


 敵の敗走と共にラトナ艦隊は堕ちた敵艦隊の物資を漁り、各艦隊も補給と強化は量より質を重視する。


 嬉しい誤算で超再生ナノマシン技術とエレクトリディフェンス技術を手に入れたラトナ艦隊は各艦艇を強化して兵装、戦闘機体などのアップデートを繰り返した。


 物資の調達は24時間体制で行い、メタトロンが上空50キロメートルから常に情報を各艦隊に提供する。


「リクロー、現状の物資の補給ってどうなってんの?」

[ラトナ、今回の敵は数だけは多かったので戦後処理が大変ですね。各艦隊の補給率は150から200%です。敵から回収した補給艦は要塞艦に偽装して本艦の後方へ、後はジーニーの高速機動艦隊を新規ドック艦で集中的に強化中ですね]


「ふぅ~ん、そこそこダメージ有ったけど、欲しい技術が手に入ったから万々歳ってとこね」

[そうですね。超再生とエレクトリディフェンス技術は各艦隊に装備しました。現在は高度1000メートルを維持ですね]


「うん?何故に高度1000メートル?」

[ラトナ、我が艦アルヴァドーンの大きさは前後13キロメートル、左右に5キロメートル、上下800メートルですよ?1000メートルの高度でも低い位です。次のエリアに向かう前にも同規模の艦隊が72艦隊居ます]


「うわ~、聞きたくなかったわ」

[安心して下さい。こちらにはシールド艦を増設しています]


 リクローの云うシールド艦とは前後と縦が広い下敷きを立てたような艦で今までの全ての防御兵装を使う事が出来る代物です。


 このシールド艦は各艦隊の旗艦の左右に多数展開され、敵艦隊の奇襲から艦隊を護ります。


 シールド艦を配置したラトナ艦隊は周り中に散らばる残骸からスローターギアなどを集め、余剰パーツでブラッド艦隊用の強化無人機スローターアームズを大量に造る事を忘れず、そこそこチューンされたスローターギアはタクティカルギア化してホプキンス艦隊に配属しました。


 ジーニー艦隊は普段はブラッドの周りに浮かぶ2キロメートル級要塞艦の後部に潜み、ジーニーの旗艦は500メートル級、小さい艦船でも300メートル級の無人誘導重駆逐艦に無理矢理バーニアとビームラムを追加して突撃、超高速戦闘を可能にして敵の隙を突く一撃離脱戦法をさらに強化します。


「リクロー、シールド艦ってそんなに造る必要あんの?」

[ラトナ、これからの戦闘には敵にもタクティカルギアやシルヴァマキナ級の機体や兵装が有ってもおかしくは有りません。また、メタトロンにも何回か攻撃が飛んで来ているようです]


「メタトロンに攻撃?50キロメートル上空よ?」

[やろうと思えば我が艦でもメタトロンに攻撃可能です。問題はメタトロンが使っているステルス系の機能がこれからの敵に完全には作用しない事ですね]


「うわ~、それはマズイでしょ」

[はい、かなりマズイ展開です]










 

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