第41話

 天からの強烈な一撃で敵の存在を知ったレッドマーカー艦隊は数隻の浮遊駆逐艦をメタトロンがジャッジメントを放った逆方向に舵を切らせた。


 その間、メタトロンはジャッジメント発射時の放出エネルギーをそのまま利用して、高度を一気に50キロメートル上空の成層圏ギリギリにまで上げる。


 そして、メタトロンはアクティブステルス、光学パターン迷彩、ナノ粒子バリアなどで防御能力を極限まで上げ、近くに敵が肉薄してもラトナのパーソナルデータ入りのシルフィード改率いる量産型のシルフ100機を常駐させているので問題はないと計算する。


 実際、メタトロンの方角に上がろうとした駆逐艦隊は大変な苦労をする事となり、当初予想をしていた上空20キロメートル付近にメタトロンはおらず、ウォーターリアクターエネルギーの大量消費により、そのまま何も出来ずにリアクターが停止、地上に真っ逆さまに落ちていく。


ズズズズズウゥーーン!ドドドオォーーン!


[ラトナ、メタトロンに向かっていた艦隊は高度が維持出来ずに沈みました]

「はぁ、馬鹿は死ななきゃ治んないのかなー」


ザザザー〘ラトナ〜、こっちゃとブラッドちゃんの艦隊で半円造ってクロスファイアで良いか〜〙

ジジジ〘ラトナお姉様、ホプキンスの提案で宜しいですか?〙


ザーザー〘ホプキンス艦隊は半円の右翼に転回してオッケー、ブラッドは左翼を任せるわ。ジーニー、アンタは敵の後方で好きなだけ暴れまくりなさい〙


ジジジー〘りょーかい!ジーニー暴れまくりまーす!〙


[ラトナ、メタトロンはどうしますか?]

「とりあえず、周りに割り込んで来る艦隊が居ないか確かめておいて」


[メタトロン広域レーダーにレッドマーカー、タクティカルアーマーの敵影無し、目前の艦隊以外の敵はいません]

「リクロー、私はシルヴァマキナで出るよ」


[シルヴァマキナ艦隊戦用装備に切り替えます]

「任せる。初陣だしデータ取り放題ね」


 ヒュゥードドドドドオォーーン!ボン!ボン!


 ラトナ艦隊は敵艦隊からのミサイルを、ラトナの駆る22メートル級可変型2脚機のシルヴァマキナの内臓型レーザー兵装で全て迎撃、次の瞬間にはラトナ艦隊12キロ級万能浮遊要塞艦と4キロメートル級浮遊強襲母艦6隻の全ての超広域射程荷電粒子砲と大型レールカノンを秒間300発程の間隔で敵艦隊に拡散して放出した。


[ラトナ艦隊ビームカノン放射開始、大型レールカノン連続放射]


 凄まじい光の嵐が敵艦隊の前衛を破壊して綺麗な花火のように敵艦隊は爆散していく。


ザザザー〘おー、おー、こりゃまた景気の良いこったな〜、ハイメー、こっちも反時計回りでやっちまいなー〙

[了解です。マスターホプキンス]


キュイーン、チュドドド……ボン!ボン!


 続いてホプキンス&ハイメのランカーズ艦隊旗艦は8キロメートル級の万能浮遊母艦のティターニアと4キロメートル級巨大浮遊駆逐艦4隻が反時計回りに転回して砲撃を開始した。


ボボボボボボン!キュイーン!キュイーン!ズドドドォーーン!


ジジジ〘ホプキンスに負けてられませんわ!バイセ、敵艦隊右舷に集中攻撃で!時計まわりでクロスファイアです〙

[分かったわよ〜、ブラッドちゃん☆]


 そして時計まわりに敵を半包囲したブラッド&バイセの無人機艦隊旗艦の6キロメートル級巨大浮遊戦艦オベイロンに2キロメートル級浮遊防衛要塞艦10隻がラトナとホプキンスの艦隊に合わせてミサイルとレールカノンの雨を降らせる。


パララララ…パララララ…ドドドオォーーン!


ジジジー〘ジーニー艦隊は敵後方の補給艦をぶっ潰すよー〙

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