第36話

「おいおい、なんか、ちょっと寝てる間にアトラスがスゲェ事になってやがんなー」

「おひさー、ムードメーカーのお調子者くん。やっと起きたね」


「お、おう、ラトナ。俺的にはよー、さっきぶりってか、キットゥールーとシェイクされてから疲れ切って寝たぶりって感じなんだがよー。なんか俺って全身強化改造手術されてね?」

[あら〜、ホント良い漢ね。ホプキンスちゃんは全身に酷い怪我をして2ヶ月も治療ボックス送りだったのよ〜。ついでに貧弱だった肉体も超強化しといたわ〜、後で艦内に居る適当な女の子でアッチの新機能も試しちゃって〜☆]


「なあラトナー、ちょっと聞いて良いか?コレは誰のサポートAI?もしかしてだな…俺っちの相棒のハイメとメルルーサは…もしかして……」

[マスターホプキンス、私も今アップデートが終わりました。ご心配をお掛けして申し訳御座いません]


「え?アップデート?ラトナー、リクローは?ハイメ、何がどうなってこうなったんだこりゃ?」

[お答えすると、タクティカルアーマー・ティタノボア討伐時にマスターの身体は全身ボロボロの瀕死の重傷でした。そして私とリクロー、エンジェルアイズなどもアップデートする事となり、それをする間に用意されたのがサポートAIバイセです。彼は性格は微妙ですが性能はリクローと私に次ぐ高い能力と通常のAIには無い揺らぎや閃きに直感が有ります]


[あら〜、遥かに格上のハイメちゃんに褒められちゃった〜☆私とっても嬉しいわ。じゃあ、名残惜しいけど私は新人のサポートに回るわね〜。ホプキンス、貴方マジで良い漢よ〜☆]

「バイセ、早くブラッドやジーニーのとこに行きなさいよね。二人が怪我したら怒るから!」


[いや~ん、ラトナちゃん怒らないで〜。この2ヶ月間で私の能力は十二分位には分かってるでしょ?]

「まあ、アンタの優秀さだけは認めるわ。バレットアントとティタノボアに破壊された艦隊の規模と質を大幅に引き上げた手腕はなかなかだったわよ」


[いや~ん、照れるわラトナちゃ〜ん。それじゃあ頑張ってね〜☆]

「なんなんだ?ありゃ」

「ホプキンス、気にしたらダメ」


 ラトナ艦隊の旗艦要塞艦で有るアトラスメルルーサの治療区画には20に届く大量の治療ボックスが陳列されていたが、ホプキンスはソレを見てギョッとして顔をしかめる。


 全て全裸の野郎ばかりで見覚えが有るやつばかりだったからだが、そこには太い何かを尻にぶっ刺されている元同盟の男達と、ジョンソンの姿を見てラトナがしっかりと浮気者のジョンソンや同盟の男達に怒りを持っている事を知り股間は縮み上がり、ラトナの厳しいオシオキに超ガクブルだった。


 そしてリクローによるブリーフィングが始まると、現在の熱帯雨林地帯のタクティカルアーマーよりも先に熱帯雨林地帯に移動して来たタクティカルアーマーの精査をし始めた。


 既にエンジェルアイズは『メタトロン』と名称を改め高度10万メートル上空で24時間熱帯雨林地帯を監視している。

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