第33話

 マザーバレットアントとティタノボアから得たデータで更に超弩級浮遊要塞艦アトラス・メルルーサは『ナノバリア装甲』と『アシッドシューター』を手に入れた。


 しかし、巨大なティタノボアやマザーバレットアントのパーツを取り込んだアトラス・メルルーサ要塞艦は全長8キロメートル級の凄まじい大きさになってしまう。


 当然、随行艦も巨大艦から超巨大艦、超巨大母艦などに進化する。


 そして、さらに2週間以上もその場に留まり続けた為、イエローマーカーが大量に湧き、プラントが出来て勝手に町が出来た。


 さらに2週間を機体と艦隊の改修に充てていると、一部イエローマーカーが外に出ていきレッドマーカー化してアトラス・メルルーサ艦隊に突撃したものの、浮遊要塞の一つや二つでは勝負する前にバイセが調整したタクティカルギアのスキュラ改とキットゥールー改の砲撃には勝てずに轟沈して、アトラス・メルルーサ艦隊は以前とグレード違いで同じような規模の艦隊数となり、ハイメ用の新しい超弩級浮遊要塞艦ティターニアを造るに至る。


 それが、この地に拠点を構えて1ヶ月ほどの成果である。


[ラトナちゃ〜ん、面倒なお客様よ〜]

「何?またレッドマーカーでも来たの?」


[うーん、ナンバーズの8番と10番ってお知り合いかしら〜?]

「8番ってブラッドだし運命の日に死んだわ。10番なんて元相棒の甘ちゃんは、私の心の中ではとっくに死んでるし」


[う〜ん、でも〜識別番号が同じなのよ〜どうするぅ?]

「ブルーマーカーなら放っておけば」


[残念、赤青黄色の混成部隊ね]

「あー、そういうヤツかー。確かに面倒くさいわ。バイセのプランは?」


[そうね〜、先ずはレッドのナンバー8を沈めて様子を見ましょっか]

「オッケー、キットゥールー改とスキュラ改でやっちゃってー」


 アトラス・メルルーサ艦の上にバイセ操る超長距離狙撃用のタクティカルギア、スキュラ改とキットゥールー改がセミオートで姿を現すと、敵の索敵範囲外からの大口径レールカノンの超長距離精密射撃でレッドマーカーの巨大要塞の艦橋とエンジン部を破壊する。


 落ちたレッドマーカー艦からはレッドマーカーのボロボロのスローターギアが、わらわらと大量に出撃するも意味不明な挙動で、スキュラ改とキットゥールー改の狙撃でこちらに近付く遥か手前でコクピットを撃ち抜かれた。


 イエローマーカー艦は即座にレッドマーカー化してこちらに直進して来るが、バイセ操るセミオートのスキュラ改とキットゥールー改の敵とはならず、そちらも相手側の索敵範囲外で轟沈した。


 残ったのは識別番号ナンバー10のジョンソンの要塞艦のみで、熱帯雨林地帯に来るにはまだ早い装備しかない。


 そして彼らが来たと同時に熱帯雨林地帯のマップが大きく拡がったということは、サバンナ地帯の消滅と砂漠地帯、サバンナ地帯のタクティカルアーマーの熱帯雨林地帯への全移動を意味していた。


 最後に残ったジョンソンの艦は愛艦マッソーではなく、サポートAIのニキも失ったようでふらふらとこちらに進んで来る。


ジジジ〘こちらナンバーズのナンバー9ラトナ、アンタはジョンソンよね?なんでレッドマーカーとイエローマーカーの要塞なんかと一緒に熱帯雨林地帯に来たのかしら?〙


ザザザー〘#$%@=℃℉€£¢ヴアアア……〙


 索敵範囲内に入って来たボロボロの要塞艦からアトラス・メルルーサ艦に音声が届くが、ソレは人間の声には聴こえなかった。


 何らかの唸り声が聴こえた瞬間、ボロボロの要塞艦が突如レッドマーカーと化す。


[ラトナちゃ〜ん、彼氏が何故か突然レッドマーカーになっちゃったわよ〜]

「とりあえず、全武装潰してエンジン破壊ね」


 [了〜解]


 次の瞬間にアトラス・メルルーサ要塞艦から大量のホーミングレーザーがジョンソンの要塞艦を破壊し、要塞艦は熱帯雨林地帯の大地に沈む。


 一応、艦橋は残っているので問題はないだろう。

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