第20話
消滅したダシタ・ワ・イライには現在ナンバーズのナンバー9ラトナとナンバー10のジョンソン、そしてランカー最下位近くのホプキンスを始めとした低ランクスロータートルーパー達が会議を始めた。
会議の内容は、この砂漠地帯の中で9割のブルーマーカーが利用していたダシタ・ワ・イライの完全消滅と失った浮遊艦やスローターギアに対する補填と、タクティカルアーマー・マザーアントとの戦闘で真っ先に逃げたナンバーズのナンバー87マックスとナンバー94マッカートンが率いるレッドマーカー集団がダシタ・ワ・イライに進路をとっている事で有る。
こちら側はラトナの超巨大要塞一基にジョンソンとホプキンスの巨大浮遊艦2隻、そして低ランクのスロータートルーパーとぼろぼろになったスローターギアが100程であり浮遊艦はマザーアンツに吹き飛ばされて10数隻しか残っていない、対して現在こちらに向かうレッドマーカー集団は大型浮遊要塞2基と中型浮遊艦200隻と300のスロータートルーパー達を擁している。
この戦力を数字だけ見ればラトナ達の分が圧倒的に悪いように見えるが、マザーアントやキラーアンツ達から大量の資源や武器弾薬を剥ぎ取り大規模アップデートを行ったラトナと、武器や物資などを大量に消費して同士討ちした上でズタボロ状態のマックス・マッカートン艦隊の分が悪い事はラトナ達のみが知る事である。
「ねぇ、あいつらどうする?」
[エンジェルアイズから面積を拡大した最低出力のヘブンリーライトを照射する案が出ています]
「リクロー、ヘブンリーライトの最低出力ってどれくらいなんだ?ソレでも結構ヤバいんだろ?」
[そうですね、約500度程でしょうか]
「ラトナ、機体はそのまま、パイロットだけ死んでもらうって事かい?」
「まあ、そうなるんじゃない」
「ちょっと待ってよ!あの人達も私達と同じ人間じゃない!」
[ミスタージョンソン、それは否定します。彼らは、なるべくしてレッドマーカーになったのです。ことわざにもある自業自得でしょう]
「そんな、やめようラトナ」
「やめてどーすんのジョンソン。私達に死ねっての?ほんと、この半年の間にどんだけ甘ったるい生活してたんだか良っく分かったわ」
「あー、俺っちなんかじゃ考えられん位の甘ったるさだぜジョンソン。人は死ぬときゃー簡単に死ぬんだわ。俺っちとラトナはよー、この半年は地獄を見て来たんだわな。特にラトナなんざこの見た目だろ?生き地獄だったのは容易に想像できるだろうが」
「でも、だって、人間は人間で、私達も人間なんだよ!」
「ホプキンス、その馬鹿に構う必要無し。リクロー、全スロートトルーパーに連絡ね。今からレッドマーカーの馬鹿達を殲滅するから各自で浮遊艦を奪え!繰り返す、馬鹿達を殲滅するから浮遊艦を奪うんだよ!」
[全スロートトルーパー達に連絡終了、キラーアンツを前面に出します]
ラトナ達が新しく手に入れた戦力とデータはラトナ達が使うアンツをキラーアンツにアップデート出来るデータとプラントだった。
巨大なガラス細工となったダシタ・ワ・イライには、その熱をもかろうじて耐え抜いたマザーアントやキラーアンツ達が関節に入った金属で動けなくなったのを確認してリクローがアンツを使って全て解体し、乱戦を生き延びた10数隻の浮遊艦達を強化し、生き残りの100人程の低ランクスロータートルーパー達にも分け前を与えて既に第2ステージの方向に向かわせつつ、ラトナは馬鹿な元ナンバーズの率いるレッドマーカー集団へのヘブンリーライト照射を命じる。
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