第19話

 タクティカルアーマー・マザーアントに半包囲されたダシタ・ワ・イライのナンバーズやランカー上位陣はランカー下位のスロートトルーパーを囮に巨大な戦力を有するナンバーズ9ラトナの居る方向に逃亡を図る。


 しかし、それを予め読んでいたラトナはデコイと無人艦を一隻置いて曳航中の巨大浮遊艦2艦と共にアクティブステルスを作動させつつ激戦続くダシタ・ワ・イライにマザーアントの背後をとるようにして移動し、スモークディスチャージャーやホーミングレーザーの一斉射を咬ました。


 ダシタ・ワ・イライ側からランカー下位の必死の攻撃と背後から挟まれるようにラトナ達の超巨大浮遊要塞や巨大な浮遊艦からホーミングレーザーの一斉射を次々と受けたマザーアントやキラーアンツなどは混乱し同士討ちを始めた。


 そして数時間後、ラトナ達の停まっていた場所まで退避したナンバーズ達はデコイの映像情報であるラトナ達の超巨大浮遊要塞や、巨大な浮遊艦から物資を得ようと艦隊で押し寄せ脅しのような事をするが当然返事はない。


 そして、痺れを切らしたランカー上位陣が音響爆雷を大量に仕掛けた先頭の浮遊艦を威嚇射撃したところ、流れ弾がデコイに命中すると共に仕掛けられていた『クレイモア型引火爆破地雷』が次々と爆発して浮遊艦を完全に破壊して、吹き飛んだ音響爆雷が辺り一面に拡がり更に爆発して目と耳をヤラれた上位ランカー陣とナンバーズ87マックスと94マッカートン達は混乱してお互いに撃ち合う事で見事にレッドマーカーとなり、今度は狩られる側へと転じた。


[ラトナ、囮とデコイが破壊されました。レッドマーカー多数出現]

「お馬鹿な連中ね。欲張るからそうなるのよ」


「なんだ、彼奴等レッドマーカーになっちまったのかい?」

「ええ、たぶん私達のデコイに気付かず威嚇射撃でもしてクレイモアを爆発させちゃったんでしょ」


「あー、そんで同士討ちしてレッドマーカーか、哀れだねぇー」

「哀れだねぇーじゃないよホプキンス!タクティカルアーマーを倒せる戦力が減ったし、相手がレッドマーカーなら、こっちまで標的にされるから!」


「まだまだ甘ちゃんなんだねジョンソン。低ランクのランカーを囮にして逃げた連中に情け容赦する必要ある?」

[ラトナ、戦力差はこちらを10としてレッドマーカーは1以下ですね。おいしい素材です]


「リクローまでそんな事言うの?貴重なナンバーズや高ランカーのブルーマーカーが減ったんだよ?」

「だからよー、ジョンソンも現実見ろよ。相手は逃げた先に俺達の浮遊艦を攻撃したんだぜー?たぶん、消耗した武器や弾薬を奪おうとしたんじゃねーの?」


「そんな……」

「だから甘ちゃんは困るわ」


 そして、朝が訪れるとヘブンリーライトが起動して焦点をマザーアントに定める。


 友軍に退却の指示を出した瞬間、大型の大気レンズに集束された太陽光が約3000度の高温でマザーアント達に照射され、ダシタ・ワ・イライのプラント群も同時にガラス細工のように溶けて消滅した。


 砂漠地帯の一大拠点消滅に、生き延びたランカー達は頭を抱えるのだった。

 

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