第8話

 運命の日、そこには10万を超えるブルーマーカーとレッドマーカーの移動要塞が一定間隔で配置され、初見のタクティカルアーマーが数多く配置された地獄だった。


「な、なんだよこれ!」


「なんだあの巨大なスローターギアは!」


キュイイィーーーン、ズドン!ボボボボン!


「敵だ!イーグル同盟、ブルーマーカーを助けろ!」


「ドラグナイツ!敵を倒して退路を拡げるぞ」


ズドドドドーーン!


「不味い、ノービスが狙われている!敵の名はタクティカルアーマー!繰り返す、敵の名はタクティカルアーマー・タイタン!」


ドゴン!ドゴン!


「うわー、誰か助けて!助けてくれーー!」


ズドドドドォン!

 

 まさに地獄の光景をエンジェルアイズで見ながら、ラトナが駆るスキュラとサポートAIリクローと移動要塞アトラスはタクティカルアーマーの群れを避けつつ仲間と共に砂漠地帯へとひたすら逃げた。


 逃げた先でも色々とあったが話せる事は肉体的には女性のラトナに強烈なトラウマやPTSDを与える地獄であったと言える。


 タクティカルアーマーを数機倒す為に数人の同盟仲間のブルーマーカー達が死んだ。


 倒したタクティカルアーマーと死んだブルーマーカーの移動要塞のパーツや資材を材料としてアトラスは高度な移動要塞と化した。


「なんでこんな事になったんだろ」

[1253の推測が出来ますが如何いたしますか?]


「お勧めで」


[先ず、この世界は地球では有りませんが、非常に高度なAIを使って運営されていると言えます。そこで気になるのはデスワールドではプレイヤーを皆殺しにする意図は全く有りません。それは弱いプレイヤー達を先に淘汰して、判断力の低下したランカーのみが最初の時点で潰された事にも理由が有ると言えます]


「うーん、つまり何がしたい理由?」


「俺っちもそこは知りたいねぇ」

[この世界を何らかの形でプレイヤー達に支配される事をAIは望んでいるのかもしれません]


「うーん、プレイヤーに支配ね。そんな事有る?」


「まあ、タクティカルアーマーなんて化け物出しといて世界の支配を望むなんてイカれてんな」

[あくまでも推測ですので]


「リクローの推測って案外当たるんだよね」


「はあ?マジでデスワールドの支配者を決めたいってか?有りぇねぇよ!」


 ラトナ達はダシタ・ワ・イライに向かって進路をとる。


 サンドシャークは体内のタンクに純水を貯め込んでいるのでミネラルなどを添加して飲水とした。


 鉄骨や血液に当たる可燃性の体液は弾薬や下級ナノマシンの素材となり、革は加工して防弾タイルとなった。


 敵のキャラバンは早々に逃げ出したようだが軽量スローターギアのフロッグチック数機は損害軽微で整備をすれば使えるので鹵獲してドックへ、武装バギー等もドックに移動させる。

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