第6話

 サンドシャークはこのデスワールドでは割とポピュラーな4メートルから7メートルの肉食のサメっぽい見た目の『疑似生物』で有る。


 ちなみに更に大きな20メートルクラスの『サンドホエール』などの疑似生物も砂漠地帯には数多くいたりする。


 これを一部のトレーダー達が囮となって別のトレーダー達が後ろからスローターギアで追い立てて、一定数のサンドシャークが集まったところで『音響爆雷』であらゆる外部器官を破壊して捕獲する。


 そして捕獲されたサンドシャークは大量の水を内包し、肉はタンパク質として、その他のミネラルなどはサプリメントと化す。


 一部、鉄骨や血液中の鉄分などはナノマシン作成や移動要塞の外殻にも使われる2度、3度おいしい疑似生物である。


 ちなみに強さはノーマルの2脚型スローターギア数機でなら、ほぼほぼ勝てる位で、ラトナのスローターギアのスキュラの小口径レールガンならば一撃で倒せる程度の強さしかない。


 これに遠距離攻撃特化型スローターギアのテイラーを駆るホプキンスが飛びついた。


 ランドシャークは大量の水を体内に内包し、タンパク質も豊富、骨などは疑似生物と呼ばれるだけあり鉄の骨である。


 まさに色々と美味しいサンドシャークを数匹、ホプキンスのテイラーで横からかっさらうのが今回のミッションとなる。


 トレーダーはこのデスワールドにおいてはNPCのような存在では有るものの中立な存在の『イエローマーカー』であり、多数で狩りや物資の売買を行う砂漠地帯の『キャラバン』としての役割が大きい。


 こちらからイエローマーカーのトレーダー達を攻撃するにはレッドマーカーになる事になる事を覚悟しなければならないが、抜け道も有る。


 今回もサンドシャークのみを捕縛対象にしてから相手に攻撃を受ければ、その結果の如何を問わずブルーマーカーとして活動出来る。


 ちなみにレッドマーカーの場合は町の機能などに一定の制限がかかるが、それ以外に特に罰則は無く、『無法者のギルド』で『闇依頼』を請ける事も出来る。


 レッドマーカーの一定の制限は水やタンパク質などの購入に際して1割から3割近い物価の高騰をされるだけである。


 デスワールド内では水やタンパク質などが非常に高価な為、1割から3割の価格上昇は地味に痛い。


ガシャン!ガシャン!ガシャン!ガシャン!


 サンドシャークの後ろからスローターギアの編隊が大きな音を出してサンドシャークを追う。


 追われているサンドシャークはバギーに乗ったトレーダーを追い掛けるのに夢中で、後ろから迫るスローターギアの音など気にしないが、たまに撃ってくる弾丸にイライラを募らせていく。


 そこに遠距離攻撃特化のテイラーから、長射程の小型レールガンから『対物ライフル』を超える強さの弾丸が7メートル級のサンドシャークの頭を撃ち抜いた。


 続く2撃、3撃と大型のサンドシャークの頭を潰してテイラーはサンドシャークの確保に向かうが、当然獲物を横取りされたトレーダー達は、テイラーに向けてスローターギア用のマシンガンを放ってしまう。


チュイーーン!バチバチバチ!


「おーおーやってくれたなトレーダー。これで正当防衛が成立だな」

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