第4話

チュイーーン……バチバチバチ!


「こりゃー、見事に叩き潰したもんだなー」

[エンジェルアイズのおかげですね]

「まあ、色々とパーツと物資が手に入ったから良かったわ」

「おいおい、見た目が女でもラトナは中の人男じゃなかったか?本名は知らんけど」

「まあ、私もデスワールドで色々とあってね。私も本名忘れちゃったわ」

「うわ、なんか同盟時代知ってっと、すんげぇ違和感だな。俺っちも他人の事言えんけど」

「あんたは中の人どっちだっけ?」

「俺っちは中身も外見も男だぜ!ダンディだろ?」

[ラトナ、ミスターホプキンス、整備が終わりました]

「おう、相変わらずリクローは仕事速いよな」

「うちのリクローだしね。そっちのアイーダはご愁傷さま」

「ああ、絶対にタクティカルアーマーを全て叩き潰してやるよ」

[アンチタクティカルアーマー用の武器も用意してあります]

「さすがリクローだね」

「確かにスゲェなリクロー」

[お褒め頂きありがとう御座います]


 移動要塞アトラスには様々な機能があり、その一つはハンガー区で有る。


 ハンガー区には現在フルチューンしたアラクネ、テイラーと並び、ノーマル仕様の『サルタン』の3つのスローターギアが並ぶ。


 ちなみに『サルタン』は先の戦いでラトナに大口径レールガンで狙撃された機体名であり、一般用のマーモ・ルクンも完品が5機、その他バラバラの部品も山程見えた。


 アラクネは戦闘用の脚で有る『デスサイズ』が増え10脚に改良され、背部装備はウェポンラックシステムで秒で換装されるようになり、テイラーはフルチューンして四脚軽戦車タイプから、四脚重戦車タイプの高出力機となった。


 ちなみに機体名サルタンは売却も視野に入れているので徹底的に洗浄と基本装備だけ付けられた二足歩行機で有る。


「うおっ、マジでうちのテイラーがフルチューンしてあるじゃん!」

[その辺りはお任せください]

「ちょっと奮発し過ぎだわリクロー」

[大丈夫です。タクティカルアーマーの装備などを大量に鹵獲したので移動要塞内外のアップデートも終了、新たな武器や情報も手に入れました]

「やっぱ、リクローがアップデートしたいだけよね」

「リクローってマジ凄いよな」

[お褒め頂きありがとう御座います。ミスターホプキンスはこの艦に留まりますか?]

「え?良いのか?」

「私は別に構わないわよ。リクローのサポートしてあげてね」

「うおー!ありがてぇ!絶対にうちのアイーダの仇は討ってやる」


 こんな感じであっさりアトラスに『スロートトルーパー』が増えた。


 『スロートトルーパー』とはスロートギアを駆る者達の総称である。


 ラトナ達は輸送車両の売却の為にアルデ・ルシナの町に移動していく。


 移動要塞は砂場の中に沈み、超高速振動で周りの砂を掻き分け、岩を砕きながら、ナノマシンで付近の鉄資源を得つつ前へ前へ進む。


 そして数時間後、アルデ・ルシナが有る地点の直ぐ近くに移動要塞アトラスを隠して、輸送車両を遠隔操作しつつラトナとホプキンスはアルデ・ルシナの町に入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

HELLO・DEATHWORLD 白熊堂 @sirokumado

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画