Black Sun

第35話

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


女 Side






「………ぅ、ん」






なにやらお腹に締め付けを感じる。

そして背中が暖かい。







お腹に触れると、ゴツゴツした手と滑らかな皮膚の感触。





現在の私は服を着ていない。

そしてこの手は私の手ではない。


……と、言うことは。








どうやら男が私を抱きしめて寝てる模様。





「……起きれたんだな」






いや、起きてたみたいだ。







私は昨日同様起き上がろうと試みる。

…もちろん、結果は無理でした。





隣でめちゃくちゃクスクス笑いやがるこの男に殴りかかるのはやめておく。

倍返しがくるだろうから。










しかし。













こちょこちょくらいは許してもらえないか。





どうか、神よ。

こちょこちょは許してくれ。








私は精一杯の力で男の方へ向き直り、手を伸ばした。


男は不思議そうに私を観察している。










男のくすぐったいポイント、どこだろう。


脇腹、脇の下、首、足の裏。


部位によっては効かない人もいる。

慎重にいかねば。


チャンスは一回……。











よし。












私は脇腹を選択。







手を伸ばし、いざ参らん。

頑張って渾身の力で。









──もにょもにょ開始。

















すると、男がブハッと堪えきれずに吹き出して笑い出した。










こ、これは……。


もにょもにょ効果ではなく、どうやら私の行動にツボったらしい。













あぁ…神よ…。




あなたはこの男の味方なのか…。

なぜ、こちょこちょさえ私に許してもらえないのか。


いや、許せよ、おい。(反語)











「……風呂、行く」













どうやらお風呂に入れてくれるみたいですね、

はい。







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