第21話
男Bが右袖から右手に何かを滑らせ、握る。
ジャキッという音とともにその小さなものから刃が出てくる。折りたたみナイフらしい。
それを男の首に当て、にたりと嗤う。
「なぁ、あんたさぁ、さっさと言えよ」
「し、知らないっ、んです!
朝起きたらベッドに女が……」
「あ”?んだそれ。
嘘つくにしてももう少しまともなやつにしろよ」
男Bは鼻で笑うとナイフを男の首に強く当てる。
男の首が少し切れ、血が流れた。
真っ赤な血が、燃えるような紅が流れる。
男の顔色は真っ青になった。
必死に何かを言おうと口をもごもごと動かす。
「ほ、ほんとに、知らないんですよ」
振り絞ったような弱々しい声で、精一杯答える男。
「あー。
あんた、少し痛い目でも見れば?」
男Bは、男の首に当てていたナイフを外すと、男の胸ぐらを掴んで床に強く打ち付けた。
グッと言う男のうめき声が聞こえた後、狂気的に笑う男Bの右腕がその喉に向かって振り下ろされる。
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