New Memory
第19話
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⁇? Side
眠る女は、まるで死んでいるかのようだった。
痩せ細って落ち窪んだ瞳、手足、腕。
血の気のない青白い肌と、目元に深く刻まれた隈。
窓から差す月明かりに照らされ、髪はその光を弾くように輝いている。
まるで、眠り姫。
愛情を待つ、孤独な姫。
一度部屋を離れ、戻ってくると、起き上がっている女。
綺麗な瞳でまっすぐ空を見つめている。
また食べ物さえうまく食べれない女。
言葉を話さない女。
命も未来も捨てた女。
美しい女ではない。
見た目は一般的で、行動は幼い。
命も未来も捨てようとしたのに、今はもうその瞳に闇はない。
強さと強い志のあるような、そんな瞳。
女を見て愛おしいとは思わない。
欲情も愛情も同情も親近感も湧かない。
ただの気まぐれ。
そう、気まぐれだ。
気まぐれだけだ。
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