第25話 シーカーズホットライン
むきむきチワワン:最近、ダンジョン配信つまんなくね?
赤骨:そりゃそうよ、シグマインテリジェンスが軒並み、
兎太郎:黒騎士と引き抜きのダブルパンチで、運営すら危ういチームがゴロゴロ!
ブンヤ:どのチームも人がいるのに開店休業状態ときた
明太子:
サバンババン:入るのに通行料いるんだから、資金難のチームはダンジョンあっても中に入れないときた
天どんどん:あ~なんでチーム抜けちゃったのかな、リリンちゃん~!
ワルイガー:泣くな、泣くな。うちの妹なんて、推しのキョースケが抜けたせいで寝込んでだぞ
逆さ坂:最近はアイドルユニットのダンジョン配信多いけど、この引き抜き、なんか異常に多くね?
きなここげぱん:そういわれればそうよね
ωスビ:確認できるだけで、QUSE13のリリンちゃんに、ファイナルブラザーズのキョースケ、他にラウンドボンバーのボーカル・バルカン、サムライガールズのキキョウちゃん、カスミちゃん、ミスミちゃん、他に誰かいる?
ヤンヤンヤンカー:すげえな、しりすび。どっから情報仕入れてんだ?
ωスビ:誰かシリスビだ! オムスビだっての!
ヤンヤンヤンカー:お怒りのとこ悪いが、アイドルじゃないけど、レイブンテイルの明菜ちゃんが抜けてるぞ
坦々カレー:あ~あのシスターか! 確か、蘇生アーティファクト持ちの!
ヤンヤンヤンカー:そうそう、回数制限あるみたいだけど、いるといないとでは段違いだ
怪虎:俺、前に明菜ちゃんから、辻回復してもらったもんね~縁ができたわ!
サイクロン:自慢乙
じめじめシメジ:あ~縁ができて喜んでるとこ悪いが、シグマインテリジェンスのマスターのシグマと幼なじみらしいよ?
ラーの浴槽流:はぁ!
めぐろのメダカ:まぢか!
さむ武闘:俺も知ってる。偶然さ、シグマと同級生って奴から聞いたんだ。間違いないよ
兎太郎:なら、明菜ちゃんが抜けたのは、単に幼なじみを追いかけたからなのか!
ウルマーノフ:くわ~一途だね~
レートパック:加えて、シグマの実家、ミヤマだぞ、ミヤマ!
天どんどん:ミヤマってアウトドアメーカーだろう。
ωスビ:そうそう、それも世界で最初に
ワルイガー:俺、スケアスモデルの眼鏡持ってるぜ!
兎太郎:世界で一番売れてる眼鏡を逆に持ってない人いる?
一同『いないよな!』
さむ武闘:それでさ、おかしいんだよ、同級生の話によると、あんなパワハラ染みた性格じゃないって
こあんこあんこ:立場が変わると性格変わるとかよくある話だろ?
イカタンコ:節約家が遺産入ったら浪費家に変わったとか聞くしね
さむ武闘:学校もロクに来てねえてみたいだし、噂じゃ転校したとか聞くし
ωスビ:うわ、今ざっとミヤマ調べてみたけど、先代社長夫婦、事故で亡くなっていやがる。
金鮭介:ニュースで話題になったから覚えてる。国内どころか、世界各地の有名企業が買おうとしていたみたい。
ωスビ:えっと分かる範囲で、愛芝、天島、カワバシ、メロン、ヤッバーン、ブンブン、サンカー、ムスサン……どれも大企業ばっかよ
サイクロン:さすが尻スビ
ウルマーノフ:ぱねえな、尻スビ
けもけも:尻スビ先生!
ωスビ:お前ら、オムスビだって言ってんだろうが!
おおまのクジラ:どうどう。まあ結局は、リーゼルト・スケアスが丸ごと買ったけどな
白い液人:役職は理事だけど、経営にはノータッチみたい
のんのん:加えて、今の社長は、明菜ちゃんのお父さんだ!
ハインリッヒ:就職すれば、お義父さんに近づけるか?
ドーネルマン:アホ言ってないで、話戻すよ。
ハインリッヒ:なんでさ!
チン竹ノ子:ともあれ、まとめると、誰も彼も有名であり、
ゴルドウィーク:ざっと見たけどアーティファクト持ちの率高いよな
マッパッハ:チームの柱を引き抜かれた、元チームは弱体化及び運営困難、配信どころかダンジョンに入れないから稼げない。維持費用だけ消えていく、ダンジョン内の資源はリターン多い分、リスクも多い。結果として廃業。現状、これだな!
ウンババ::うわ、
黒音:おいおい、数にもの言わせて突撃するとか、モラルないな~
シャチマン:誰もがかなりの実力者だから、猛進してるぞ、魔物が逆にかわいそうになってきた
ラーの浴槽流:すげーけど、見ろよ、誰も彼も一級品の装備ときた
ぱつぱつ管理人:ボスドロップの装備まであるぞ、どんだけ金あるんだ?
獅子吼:そろそろ<シーカーズホットライン>始まるぞ! ほら、シリスビ先生も。
ωスビ:オムスビ!
――――――――――――――――――――――――
「はろーえぶりばでぃ~シーカーの諸君、今日も探索を楽しんでいるかい♪ シーカーズホットラインスタートだ♪」
流れるのは陽気な男性DJの声。
これから始まるのは探索者配信インターネットラジオだ。
ダンジョンで起こった日常から、目撃された魔物の情報や新情報を音声にて配信する。
何故、映像ではなく音声だけなのか。
理由は単純、音声だけなら気軽に、なおかつ遠くに飛ばすことができるからだ。
映像配信が主流になろうと、アナログなラジオは廃れるどころか、遠くまで届けることから今なお確かな
「最近、ダンジョン界隈はぶっそうときた。あっちこっちの現れた黒騎士のせいで、どのチームも壊滅! と思えば、まさかの討伐者が現れる! かのリーゼルト・スケアスすら撃退するのがやっとだというのに、その相手はまさかの、弟子! 今まで正式なチームに属していなかったが、黒騎士討伐を機に新チームを結成! 加えて優秀な
今話題沸騰のチーム、シグマインテリジェンス。
結成から一週間が経過した今、各地に出現したダンジョンを軒並み攻略していく。
元々、各チームの人気実力者をチームに引き抜いているため、元来のファンもまたついてきた形となっていた。
「んじゃここで、
音声は切り替わり、ホームに出入りする
『シグマインテリジェンス? あ~実力あるけどさ、マナーが最悪だよ』
『数に物を言わせてダンジョン内を荒らしまくるから、たまったもんじゃない』
『狩ってると横取りしてくんだよ。抗議しても悪いの一言もないし』
『こっちはピッケル片手に炭坑夫やってんのに、いきなり爆発物仕掛けて発破とかしてんだよ。危うく生き埋めからの
『レイブンテイルとは何度も共同攻略してるけど、あいつ、あんな傲慢な奴じゃなかったはずだぜ。なんかダンジョン前でえらい叱責していてさ、見るに耐えなかったな』
『変わりすぎだろう。あいつ、後ろに目でもついてんのかってぐらい状況把握が上手いんだぜ。けど、今のあいつを見てると本当に別人って思うぐらいパワハラ上司なんだよ。使えないから解雇とかヒドすぎだろ』
『狩り中にちょっとミスって武器壊しちゃったんですけど、通りすがりなのに、あっという間に錬金術で修復してくれたんです。いつもかわいいわんちゃん連れていたんですけど、最近見ないですね』
『体力ゲージがピンチの時にさ、いきなりなんか投げつけられたと思ったら回復剤でさ、お陰で大助かりだったんだよ。代金払うとか言っても勝手にやったことだから良いって言われたわ』
声という声は、困惑と驚愕が多い。
ところが、今の姿は、誰かを助けず、誰かを使い潰す。
スタジオに音声が戻り、DJは困惑気味に唸る。
ペラリとペーパーノイズをマイクが拾う。
軽い咳払いの後、話題を切り替えた。
暗い話は視取者の気分を下げる。
だから、ホットな話題に移ることで盛り上げようとした。
「気を取り直して、お次の話題だ! 新チームがあるなら、新人
ボスに至る早道はダンジョンの隠し部屋を見つけだし、鍵を入手する必要がある。
この新人
驚くべきは単身で挑んでいること、なお驚くべきは、ボスを既に一体単独で討伐していることだ。
「今判明しているのは、レイブンテイル所属であること、職業は
ラジオであるのは口惜しい。
今ならば配信に相乗りして戦闘を実況できたはず。
だがラジオにはラジオの味がある。
これからも持ち味を活かして配信するのみだ。
―――――――――――――――――
毎度の応援ご拝読ありがとうございます。
これにて半分折り返し!
次回より第三章が始まります。
星・応援・レビュー、遠慮なくどうぞ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます