第2話 敵対

俺は、その学園に戻っていた。

俺のクラスは、A組。

1番上のクラスだった。


?「、、、」


クラスに着いた俺は、一人で静かに本を読んでいた。

別に、本が好きな訳では無い。

ただ、何もすることがないからだ。


A組には、他のクラスと比べてみても人数が少なく、俺を含め5人だった。

俺は、そっと本を閉じて、その席から立ち上がった。



ルルん「、、お前は、、」


?「、、、?」



俺が立ち上がったと同時に、教室に担任が入ってきた。

担任の実力は、大体見ただけで分かるが、、どうやら、C組の担任よりも気配は薄い。

だが、それでも相当な物だろう。



ルルん「お前は特別だな。」


?「、、、?」


ルルん「お前の過去の履歴を見ても、活躍した実績も何も無いのに、ここの学園長は、お前を見た瞬間A組にした。」


ルルん「僕には、お前の強さが理解しかねる。」


?「、、、w」



俺は、フードを抑えながら、担任の横を素早く移動した。










廊下を歩いていると、先程の人が学園の外を歩いてくるのが見えた。

すると、向こうも俺の姿を認視したのか、先程まで覗き込んでいたスマホをそっとしまい、、、






亜久「、、、ッ!」






塀に跳んで、、電柱に足を着き、踏み込んで高く飛んだ。

そして、この階の窓に手をかけると、宙に一回回転をかけて、窓を破り入ってきた。




?「随分と、騒がしい登場だな。」


亜久「、、貴方には、、色々と聞きたいことがあるので」


亜久「私は「亜久」、貴方は?」


?「、、、さぁ」


亜久「、、、」



亜久「まぁ、、いいでしょう。」


亜久「A組なのですね。」


?「ああ、そうだな。」


亜久「最初、人目見た時から分かっていましたが、、やはりお強いのですね」


亜久「いつか、一戦交えて頂きたいものですが、」


?「、、、w」



亜久と名乗る彼女は、足に着いた埃を払って、こちらに向き合った。

目は、、合わない。



亜久「、、、貴方の仕業ですか?」



?「なんの事だ」


亜久「先程、貴方に邪魔をされたターゲットが、今、メールで死亡したと届きました。」


亜久「ですが、私は殺していない。」





亜久の話を横耳に、俺はスマホをいじった。





亜久「貴方以外、考えられません。」


亜久「大体、どうして逃がしたりなんかしたんですか」


亜久「とどめを刺していれば、、今頃こんなことには、、、」



?「、、、w」





俺は、先程よりも素早く指を動かしていた。





亜久「答えてください。」


亜久「どんな目的で、、どんなトリックを、、!」






俺は、そんなことを言ってくる亜久に、素早くスマホを差し出した。

そして、その画面をスワイプして、、




亜久「、、スマホ、、?」


亜久「これが、、なにか、、」




亜久「!?」




亜久は、スマホの画面を見た瞬間酷く驚いたような顔をした。

その理由は、紛れもなくこの画面に映っている、、







亜久「、、、こ、、これは、、」









亜久「私の、、メールID、、?」



そうだ、。

俺が画面に出したのは、俺のスマホで亜久のメールIDだった。

基本、メールIDと言うのは自分の以外は学園側が持って居る。

よって、俺のスマホに亜久のメールIDが写っているのは有り得ない訳だが、、。



?「ハッキング。」




亜久「?!」



?「俺は、亜久のスマホをハッキングし、そのIDから死亡の報告と、死亡写真を学園に送った。」


亜久「、、死亡報告と、、死亡写真、、?」



?「勿論、亜久のスマホからは、何も見れないしなんの痕跡も残らないように細工はしている。」


?「学園側のメールは、「死亡したと認める」みたいな内容だっただろう?」


?「そのメールが来た時点で、俺ら殺し屋の身は安全となり、また、新たに依頼が来る。」



亜久「ま、待ってください、!」


亜久「、、なぜ、そんな面倒くさいことを、、?」



?「、、、」


亜久「そもそも、死亡写真って、、?」


?「それは偽造だ、実在していない。」




俺は、スマホをしまい亜久の横を通り過ぎた。

でも、亜久はそんな俺の後ろを着いてきて、、。



亜久「なぜ、殺さないんですか?」


亜久「それがバレたら、、我々が殺されるんですよ!?」


?「だからなんだ、」


亜久「なぜ、、そこまでしてターゲットを逃がすんですか!?」


亜久「有り得ません!」




すぐ後ろから、、怒鳴り声が聞こえてくる。

相当な声量で、、。





亜久「一体、なぜこのようなことを?」



?「、、、」



亜久「私は、、貴方のやり方が理解できない、。」


亜久「依頼をされたのに殺さない殺し屋は、殺し屋失格です。」


亜久「今から、私は貴方の行為を学園長に報告します。」


亜久「全て、、話してください。」


亜久「拷問でも何でもします。」


亜久「私は、貴方がなぜこの行為をしたのかが知りたい。」


亜久「覚悟してください。」






いつの間にか、亜久は止まって、俺だけがその廊下を歩いていた。

拷問、、か。

そんな生ぬるいもので済まされるほど、この学園、この殺し屋は甘くは無い。





?「、、、ww」



俺は、振り返った。




まだ、彼女は止まって俺を見続けている。









?「楽しめ。」


?「この 最初 と 言うものを。」









俺は、また、歩き出した。


















亜久「、、っ?!」


信じ、、、られなかった。

何が、、どうなっている、、


ハッキング。


聞いたことある言葉だ、、まさか、自分がやられるとは微塵も思っていなかったけど、、

殺し屋に、、あんな人が居たなんて、、。




亜久「私は、、やっぱり強くなる。」


まだ、、壁は分厚いし、飛び越えられない。

けど、私は、、、


亜久「貴方を超えて、、最強の殺し屋になってやる。」























?「、、、」


亜久のメールIDを学園長に見せ、証拠を突き出せば、俺は間違いなく殺されるだろう。

ただ、その証拠が、今もあればの話だが、。







その瞬間、体育館の方で破裂するほどの衝撃波を感じた。






?「、、、」








俺は、フードを深く被り、また、その場に向かった。





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