盲目的に愛してる

「ねぇ檸檬、なんかその……最近大丈夫?」

「……?」


学校の帰り、里奈に何故か心配された。


「檸檬、何か私に相談とかない?」

「ないよ」


里奈は何を心配しているのだろうか。


「―――じゃあなんでそんなに細くなっちゃったの?いきなりこんなに細くなるなんておかしいよ!親からご飯たべさせてもらってるの!?」

「食べてるよ?」


ご飯は食べる。だけどその後に吐く。

私は痩せないと行けないから。私がモテないのは太っているからだ。なら痩せたらいい。

痩せればらすニャさんの顔を見たいっていうお願いにも応えられる。


「ホントに?でも―――」

「どうしたの里奈、私が痩せたから嫉妬してるの?」

「ううん、違う、違うよ……本当に心配なの……今の檸檬は少しおかしいよ。

今の檸檬、骨が見えて……ねぇ、本当に相談はないの?」

「ないよ、大丈夫だから、大丈夫だから」

「そういえば……檸檬さ前に彼氏出来たって言ってたよね?その人が関係してたり……」

「違う!」


違う、らすニャさんは悪くないんだ。


「ねぇ、前は聞けなかったけど檸檬が付き合ってるのってどんな人なの」

「素敵な人だよ」

「どんな風に?」

「私を愛してくれるの」

「……檸檬を愛してるならどうして彼氏の人は心配してないの?」

「だって、それはネットで作った彼氏だか……仕方ないの」


そう、いつか現実で合う日が来るはずだから。それまでにもっと痩せて、もっと可愛くならないと。


「ネットで?その人ちゃんとした人なの?」

「そうだよ、社会人で、ちゃんとしたカッコイイ人」

「社会人!?やっばりおかしいって……だって檸檬は未成年でその人は成人してるんでしょ?」

「なんで、なんで里奈そんな事言うの」


なんで私の好きな人のことを悪く言うの?里奈ちゃんは酷い女だ。

らすニャさんは私の事を好きになってくれた唯一の人なのに。

私にとってはらすニャさんだけが全てなのに。


『檸檬、下着の写真送ってよ』


らすニャさんは×××な人だなぁ。私のそんな姿求めてくれるなんて。



でも、未だに配信やってるのだけ嫌だなぁ。らすニャさんの配信には私以外にも女がいて、今日だって楽しそうに会話をしている。

あれ、そういえば最後に2人で野原行動したのっていつだったっけ?

とりあえず今は、らすニャさんに会う時のために自分を磨かないと。




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