第一章 前代未聞、開校以来初の落第生③
王国軍の基地までは、学校の
入口の
入って左手にはコの字型の兵舎があって、兵士らしき
司令部は兵舎の前を通り過ぎ、その
最上階まで階段で上り、『第一大隊長室』とプレートに書かれたドアの前で立ち止まる。
「こちらになります」と、案内してくれた兵士はそこで去っていった。
コレットはその場でマントを
「どうぞ」と、男性の声が聞こえたので、コレットはそろそろとドアを開けて、「失礼します」と中に入った。
そこは一見して殺風景な部屋だった。
「お待ちしておりました」
ニッコリと人当たりの良い
年の
そして、もう一人。正面の
部屋は地味なのに、いる人はきらきらしいわ……。
コレットは
そのせいで、せっかくの美しい顔が台無しだ。それどころか、
ちょっと待って。もしかして、こっちの人がアルベール殿下?
黒髪の青年の方が服装もきちんとしているし、
コレットは迷った末、金髪の青年の方に向かってその場に
「コレット・モリゾーと申します。本日は面接のお時間をいただき、
特に注意はされなかったので、このならず者もどきの青年が、やはりアルベール王子だったらしい。
「そこに座れ」と、王子はソファを
まさか、これも面接試験の内だったとか……?
間違えていたら、おそらく即退室命令。面接どころではなかった。
危ない、危ない……。
コレットはひやりと
小さなテーブルをはさんで向こう側に座る王子との
コレットは全身を緊張に
「そう
声をかけられて振り
「お、
面接でお茶が出てくるとは、オベール教官も言っていなかった。
もしかして、すでに好印象? それとも、実は面接する前から採用が決まってる、なーんてうまい話はない?
「とりあえず飲め」
王子がそう言ってカップを取り上げて飲んでいるので、コレットも「いただきます」と、自分のものを口元に運んだ──が、気づけば王子がコレットを
ちょっと、ちょっと!? もしかして、『飲め』って言われても、王族の前では
しかし、時すでに
直後、口の中から食道、胃の中までカッと焼けるような熱さが広がった。
これはお茶の熱さではない。この感覚をよく知っていた。
面接試験、これだったんだ……!!
回復
もちろんコレットは、学校でピラリスを何度も飲んだことがあったので、解毒できるはずなのだが──
さすがにこの量は無理でしょ……。
あふれ出す血が
ああ、不採用が決まったわ……。
この十日の緊張と
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