第2話
「なんの用だ?ていうか、誰だ?」
「俺の名前は伍。この世界にいる5人の神のひとりだ。今日は君にあることを警告しに来た。」
「神さま...?警告...?」
「ああ、神のことはそのうち分かるさ。だから今は言わないでおく。警告というのは、近いうちに君は神たちと戦うことになるってことだ。気をつけろよ。ちなみに、この公園は誰にも聞かれないようにしてあるから安心してくれ。」
「それは大変だな。でもどうしてそれをわざわざ僕に?」
「さあ、なんでだろうな。」
「...」
「じゃあ、またどこかで会おう。」
彼が指を鳴らすと、周りの景色が一瞬で変わった。
公園の不自然な静寂が一気に消え去り、風の音や遠くから聞こえる車の音が戻ってきた。
まるで何事もなかったかのように、世界はいつもの夜に戻った。そして彼は姿を消していた。
翌日の朝、僕は学校に行く準備をしていた。朝ごはんにはさば味噌とごはん、そしてコーヒーが一番だ。
「行ってきます。」
玄関に向かってそう告げて、僕は家を出た。駅まで歩き、電車に乗ってから少し歩くと、やがて学校に着いた。
教室に着き、ドアを開けて入ると、いつも通り一人の少女がいた。
「おはよ。」
席が隣だから、僕は毎朝こうして挨拶をする。「おはよう」と返事は返ってくるが、それ以上の会話は続かない。
ショートヘアに楕円形のフレームのメガネをかけた彼女の名前は葵。
クラスは違ったものの、中学の頃から同じ学年だった。もちろん話したことはなかったが、魅力的な外見と温厚な性格から、彼女が人気があるということは知っていた。さらに、聞いたところによると、彼女は自分のクラスだけではなく、他のクラスの人たちからも人気があるらしい。
しかし、なぜか彼女はあまり人と関わろうとせず、遊びに誘われても絶対に行かないし、部活にも入っていない。だから、クラスの人たちは彼女を少し怪しがって、あまり話しかけようとしない。結果的に彼女は孤立していた。
そんな彼女だが、僕とはよく話すようになった。というのも、以前英語の授業でペアワークがあり、お互いの趣味について話す機会があったのだが、その時に彼女が僕と同じゲームをしていることが分かり、それ以来、休み時間にゲームの話で盛り上がるようになったからだ。彼女は真面目なので朝から一限前までは勉強に集中しているが、休み時間には僕との会話を楽しんでいる。最近は特にホラーゲームの話で盛り上がっていたな。
葵は一限の授業が始まるまで、教科書のようなものを見ながらノートにメモを取っていた。僕は小説を読みながら時間をつぶしていた。
彼女の唯一の弱点は学力だ。しかし、僕は彼女が最近、毎朝早く学校に来て勉強していることを知っている。だから、その弱点もいずれはなくなるだろう。
彼女の席は窓際にあって、その隣に僕の席があった。
僕がちらりと彼女を見ると、太陽の光が反射して彼女の目が薄紫色に見えた気がしたが、もう一度見直すと、そんなことはなかった。
静寂はとっくに消え去り、いつの間にか授業が始まっていた。教室内は静かで、集中した雰囲気が漂っている。
この学校は県内でも上位トップ3に入るぐらいの難関校らしくて、授業のレベルもスピードも早い。生徒たちのレベルも高く、休み時間にはほとんどの生徒が勉強している。僕はしていないが。
僕は学校で全く勉強しないし授業も聞いていないが、家でもやらない。だけど、定期テストとか模試の成績は良かったりする。基本的にテスト前もあまり勉強しない。前日になって授業で何をやっていたか確認するだけである。
天才になる超能力があるわけではなくて、ちょっとしたズルをして高校で習う全ての科目を完璧に仕上げただけだ。
そんな感じでいつも通り、年配の先生の話を聞き流していたが、僕はまたどこかに違和感を覚えていた。
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