第二部 成神尊 7
僕は数日の間、御舟の家で引きこもった。食事は配達を頼み、外に出ることは一切なかった。御舟は仕事に忙殺されており、僕が気づく限りでは一度も帰ってきていない。
僕は、真犯人が事態を動かすのを待っていたのだが、そうしている中でも事件について考え続けた。真相が見えている部分と見えていない部分が虫食いのようになっていて、どうにも気持ちが悪かった。けれど、新しい事実がなければ、この感情はぬぐえない。
おまけにそうやって考えているうちに、醍醐祥と会うと考えたときから、僕が大きな間違いを犯しているように思えていた。理由はまるでわからないのに、その確信だけは日に日に膨れ上がっていく。
ゆえに、禁を破らざるを得なかった。僕は焦燥感だけで靴を履き、玄関を開けた。
それが失敗だった。
頭に強い衝撃が襲う。横に誰かがいる。けれど、目も叩かれていて、まともに機能しない。黒い影だけが判別できるすべてだった。足らしきもの。痛みと驚きで、声が出ない。肺もろくに機能しない。頭部にはさらなる衝撃――
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