第23話:真白との別れ。
ゼゼットは辛い気持ちを押し殺して家に帰った。
真白が学校から帰って元気のないゼゼットを見て心配した。
日中なにがあったのか
な話を聞かされた。
「とにかくその人とふたりで出かけたと思ったら今度は浮かない顔して、
ゼゼットちゃん一人で帰って来たのよ 」
「ゼゼット・・・なにがあった?話してくれないか?」
「私、天界へ帰らなくちゃいけなくなったの」
「なんで?・・・ずっといてくれるんじゃなかったの?」
「神様が帰って来ないと困るって・・・」
「私が天界へ帰らないと神様の面目が立たないんだって・・・」
「なに面目って?」
「私をカオスに落としそうになったからね」
「そのことを帳消しにしないとと神様にとって、それは汚点になるんでしょ」
だから、私を天界に戻したら、その件はチャラになるみたい」
「私に帰れって言ってるのは、そう言うことみたい」
「それに地上に天使がいるなんて今までなかったことだからダメだって」
「そんなこと神様の勝手じゃないか?」
「断っちゃえばいいじゃん」
「前にも行ったけど俺はゼゼットを神様なんかに渡さないからな」
「だけど、もう帰ること約束しちゃったんだもん」
「なんで、そんなこと約束したんだよ」
「俺のこと愛してないのか?」
「俺より天界に帰ることのほうが大事なのか?」
「そんなことない・・」
「私にとってマー君が一番、大事だよ」
「だったらどうして?」
「そんなに、私をを責めないで・・・ 私だって辛いの」
「マー君と別れたくない気持ち分かるでしょ・・・けど、どうにもならない
こともあるんだよ」
「普通、神様が地上に降りて来ることなんかないの・・・それは、よほどの
ことがない限りないことだからね、だから無視できないの」
「明日、神様が私を迎えに来ることになってる」
「だから今夜、マー君とちゃんとお別れをしようと思って・・・ 」
「黙って行くのは、イヤだから・・・」
「お別れって・・・」
「マー君・・・今日までほんとに、ありがとう」
「私を愛してくれてありがとう、マー君のこと忘れないから・・・」
「そんなこと・・・悲しすぎるよ」
「ゼゼットのいない明日なんて考えられないよ」
「・・・・・」
「いいよ、分かった・・・俺を置いて帰ればいい」
「どうせ、笑って手を振ってさよならなんかできっこないんだから・・・」
「俺は見送らないからな・・・」
「神様と一緒に勝手に帰ればいいだろ 」
「マー君・・・」
「いっそ黙って帰ってくれたほうが良かったんだよ」
いつものゼゼットなら食ってかかるところだが下をうつむいたまま何も
言わなかった。
心無い言葉を投げかけた真白を責めもしないし弁解もしなかった。
そして神様が言った真白の命を奪うって話、それも彼には黙っていた。
ただ、ゼゼットは独り言のように願うように言った。
「たとえ離れててもマー君と私の心の糸がずっとつながってますように・・・」
つづく。
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