side:魔拳の騎士ルフェル
(・・・氷で強化した拳で傷は与えられなかった。となると・・・!)
「フォグ、私とスローに攻撃力アップのポーションの後牽制!ミラはヤツの足元を狙え!」
「はいよ!!」
「ええ!」
「ん、了解!」
即座に役割を分担し、飛び出すルフェル。
狙うは有効打となる一撃!!
「エンチャントマジック<氷の拳><炎の噴出>!!」
拳を氷で固め、ひじの後ろから炎を噴出して勢いをブーストする!!
拳打を黒鉄魔装とやらの胴体部分に叩き込む。
「ピー・・・ダメージ3%。蓄積ダメージ64%。戦闘続行可能」
「へぇ、やるじゃないか」
響く主任とやらの声。その余裕、ぶっ壊してやる・・・!!
「はぁっ!!」
次いで叩き込まれる、スローの剣。
だが、その攻撃は空しく響いたカキン!という音とともに跳ね返される。・・・やはり強化しても有効打は与えられない、か。
「・・・スロー、下がれ!フォグとキョウの守りに入れ!」
「ああ!ふがいなくて悪いね」
「逃がさないよ!黒鉄魔装、バトルモード!!」
「ピピ・・・<一斉射撃>」
両手の腕から大量に発射される弾丸。
なんだ!?あの銃は!?!?マズイ・・・!
「ん、<土星の壁>」
「<土壁>!!」
魔王軍一般兵の攻撃に対して一瞬持ちこたえた壁はしかし、科学の暴力によりまるで抵抗することもなく打ち砕かれる。
「ぐっ・・・!」
「ぎゃっ!?」
「ん・・・!!」
狙われた後衛3名は被弾し、一気に倒れる。
キョウはたまたま範囲外にいたためダメージはない。そしてルフェルは。
「(くそ・・・!戦えるレベルは私だけか!!)エンチャントマジック<氷の拳>×4」
4重詠唱。1つ重ねるごとに魔力消費が等比級数的に増えるが、そんなことを言っている場合ではない。
全身に氷をエンチャントし、鎧として纏う。だがそれは即座に砕かれ、被弾する。
「ぐっ・・・!」
「ほらほらほら!次いくよ!!」
「ピー・・・<ウォーターカッター>」
水・・・?と思った瞬間、触れた部分が切り裂かれる。銃撃に対して回避行動をとっていたためかろうじてかわす、が、それでも鎧を断ち切り、胴が切り裂かれる。
「水の刃か・・・!!」
「ピーピー<ブーストラッシュ>」
黒鉄魔装の足と背中からブースターが出現し、推進力により突撃する。
鉄の塊がルフェルに激突する瞬間・・・!!
「ん、<土星の壁>×2!」
黒鉄魔装の足に土の壁が発生し、わずかに軌道がそれる。
ルフェルは回避ざま、攻撃を叩き込む!
「<氷の拳><炎の噴出>、そして武技<パワーカウンター>!」
魔導で強化した拳にカウンターでの交差方向の攻撃、さらにスキルを載せた一撃を叩き込む!
「助かったぞ!」
「ん、サポートする」
「ピー・・・ダメージ8%。蓄積ダメージ72%。戦闘続行可能」
だが、まだまだ敵は健在。
削りつくせるか・・・?
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