009.はじめての願い
「邪神。お前が俺を【見て楽しみ続ける】ために、現時点で必要な知識と技術を全てよこせ!」
これだ!
これしかない。理由は分からないがこのクソガキ邪神は、プレイヤーというゲームのコマとして俺と世界で遊ぶ気だ。さくっと殺すだけなら、そもそも転生させる意味がない。
いつか、育った時に俺はあっさり捨てられるかもしれない。
何か目論見があって見捨てられるかもしれない。
だが、少なくともそれは今ではない!!それに賭ける!!
はたして結果は・・・
------ローディング
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邪神。お前が俺を【見て楽しみ続ける】ために、現時点で必要な知識と技術を全てよこせ!
見積もり:2,000,000(20万G)
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・・・勝った!!
「うん!うんうんうん!素晴らしい!素晴らしい判断だよキョウくん!!与えるべきものを与える前に、答え合わせといこーじゃないか!なんでそー願ったんだい??」
「このチートは、仕組みはわからねぇがお前の力だろう?で、お前の力である以上、少なくとも今すぐ俺をゲームオーバーにする意味はねぇ。それなら最初っから転生させる必要がないからな。
それなら次点。いま、どうすれば俺がお前の望むステージに近づくのか。利害が一致していると思っただけだ」
「いやー、やっぱりいいねキミは!とはいえ、その頭の回転が生きているうちにできていればこんなことにもならなかっただろーにねー」
うるせぇ!(4回目)
「さて、それはそれとして取引成立だ。20万Gで、【行動の基礎となる知識と技術】を与えようじゃないか!」
★キョウは以下のスキルを手に入れました!
・異世界言語 LV2
・異世界知識 LV1
・身体能力 LV1
・真贋判定 LV1
「・・・これは?」
「いわゆる、生活と商業で必要な基本パックというやつさ!お金の力で異世界を渡ってもらう以上、最低限稼げるようになってもらわないといけないからね。そのセットだよ。」
「なるほど。言語と、身体能力と、真贋判定ってのはまぁわかる。異世界知識ってのは?」
「いわゆる基礎教養、一般マナーってやつだよ。【これを知っていれば儲けられる】ってもんじゃないけど、【これをやれば確実に失敗する】ってアクションを防止できる、ね。わかりやすい話、いかに素晴らしい商品やサービスを持ってても、提供する男がスカート履いてたら回れ右するでしょう?」
「いや、現代では男の娘という需要も、な?」
「あーおーけーおーけー。ボクの例えが悪かった。でもまー、言いたいことは何となくわかったでしょー?」
まぁ、分かった分かった。
とにかくここは異世界。常識も異なるわけだ。
「でー、そうだね。とりあえずボクが楽しめるための知識としては、まず行動方針。帝国辺境都市カローパットに向かうべきさ!」
「そこは?」
当然だが、聞いたことがない。
もちろんこういった話の流れで薦める以上、何かあるんだろうが。
「そこは辺境の都市であり、さらに北部の草原地帯では人族と、魔族の戦争が行われている。そういった非常事態は稼ぐも良し、情報を集めるもよし、出会いを集めるもよしさ!と、いうわけでいってみよー!それに、君が見るべきものもあるしね」
見るべきもの・・・?
まぁ、いい。第一目標は、帝国辺境都市カローパットだ。
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