side蓮

夢にまで見た小鳥ちゃんとのキス。

まさかこんな形で迎えるとは思わなかった。

普通、どんなに毒と相手の相性がよくてもせいぜい感度が上がるくらいのこと。


ここまで酩酊するのは本当に珍しい。

こんなにも相性のいい相手に巡り会えるなんて一生かけても見つからない場合がほとんどなのに。


やっぱり俺と小鳥ちゃんはこうなる運命なんだ。こんなにも相性がいい俺たちは絶対に一緒にいないとね。


「ん……。」


幸せなキスが終わり、小鳥ちゃんが色っぽい視線を俺に送ってくる。


いつか、毒なんかなしでこうなってくれたら嬉しいな。


俺は基本、他人の感情なんて気にしない。

興味もなければ、むしろ心底どうでもいいとすら思っている。

だからこんな感情が湧き上がるなんて思っても見なかった。


小鳥ちゃんが俺のことを愛してくれないかな、なんて。


「小鳥ちゃん、俺の毒でかなり飛んでるみたいだから落ち着くまで車で休ませるよ。

小鳥ちゃんがしっかりしたら出頭する。」


無表情で俺を睨みつける白狼。

コイツ、やっぱり小鳥ちゃんに惚れてるんだ。

本当に分かりやすい。


「そう怖い顔しないでよ。

仕方ないでしょ?小鳥ちゃんからしてきたんだから。」


俺の言葉に今にもキレそうな狼は拳を握りしめていた。


「中で待ってます。」


俺を殴りそうな勢いだったけど、白狼は我慢強いらしく俺たちに背を向けて建物の方へ向かって行く。


そんな中俺は大事な小鳥ちゃんをしっかりと抱いて車の中へ戻った。


小鳥ちゃんを抱いたまま車の後部座席のドアを開けて二人で入る。

車の中は狭いからさっきよりも密着していてどうにかなりそうだった。


「蓮様ぁ…//////」


小鳥ちゃんは俺の膝の上に跨っていて、甘い声で俺の名を呼ぶその端ない姿が本当に可愛い。


「どうしたの、小鳥ちゃん。」


小鳥ちゃんは俺の耳にキスして、次は頬、俺の目を見て真っ赤になってギュッと俺に抱きついた。


あぁ……可愛い、うっかり殺してしまいそう。

ヴァンパイアの本能は本当に残忍極まりない。


愛しい、可愛いと思う分だけこの手で壊してしまいたい衝動に駆られる。

本当、どうにかなりそうだよ。


そんな俺に追い討ちをかける小鳥ちゃん。

小鳥ちゃんは俺の上で浅くゆっくり腰を動かした。


「んっ…///////」


「小鳥ちゃん、可愛すぎて殺しちゃいそうだからそれはやめようね?」


あぁ……抱きたい…泣かせたい、壊したい…。


「んっ…んっ…//////」


小鳥ちゃんは気持ちいいのか腰の動きを少し早くして可愛い声を漏らした。

そんな事をされたら俺だって反応する。


「っ…小鳥、ちゃん。ね?ダメだよ。」


俺がダメだと注意すると小鳥ちゃんは動きを止めて切なそうに俺を見た。


「帰ったら俺のベッドでシよう?」


俺がそう聞くと小鳥ちゃんは真っ赤になって一度頷いた。

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