*焦がれる【2024/11/06】
俺はずっとずっと、隣で笑う一番星に焦がれ続けている。
緋月は、本当に凄いんだ。確かに少しだけ……いや、かなり勉強は出来ないけれど、誰よりも真っ直ぐで、誰よりも優しくって、そして何より、議題の陰陽師の孫娘と言われるだけの実力がある。
俺は弱いから、誰よりも努力しなきゃいけなかった。死に物狂いで努力して、寝る間も惜しんで努力して、来る日も来る日も努力して、ようやく使えるようになった陰陽術も、緋月は「なんとなく」でぽんと使えるようになっていた。
緋月はよく「あたしは紅葉がいないとだめだめだねぇ」と笑うけど、絶対にそんな事は無い。きっと、緋月がいなかったら俺は今頃死んでいる。あるいは、大切な人をもっと取り零している。
それでも、緋月はいつも「紅葉は凄いんだよ」と笑っている。そんな事、無いのに。
お願いだから、もう笑わないで、一番星。
貴女の眩しい光に、俺はいつも焦がれている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます