ヴァーチャルイースポーツ
トマトも柄
ヴァーチャルイースポーツ
ある一室の部屋で少女がPCを立ち上げる。
そこで一つのゲームを立ち上げ、コントローラーを持った。
少女は黙々と操作を進めていた。
少女の見ているPCの画面には屈強なプロレスラーと鉢巻を頭に巻いている格闘家が映っている。
画面に映っている格闘家は両手で気を溜め、気の籠った弾をプロレスラーに放っていく。
少女はスティックを徐々に右に倒していく。
画面のプロレスラーはそれに呼応するかのように前進する。
向かってくる弾を体で受け流し、プロレスラーは徐々に格闘家に近づいて行く。
格闘家はこれ以上は無駄と判断したのか高く飛び上がった。
そのままプロレスラーに向かって蹴りを繰り出そうと足を延ばしている。
しかし、プロレスラーは両腕を広げ、自らの体を高速で回転し始めた。
伸ばした腕が格闘家に当たり、格闘家の体が吹き飛んでいく。
格闘家は吹き飛んだ後で受け身を取って急いで体勢を立て直す。
しかし、格闘家の眼前にはプロレスラーが迫っており、攻撃は間に合わないと腕を上げて防御の形を取った。
プロレスラーは咄嗟に格闘家の頭を掴み、格闘家を抱きかかえながら高く飛び上がった。
そのまま格闘家を抱きかかえたまま空中から叩き落し、格闘家の体をくの字に曲げさせる。
その決めポーズとともに画面に大きくKOの文字が出てくる。
その画面が出て、少女は一呼吸置き、対戦を終えた。
そして携帯を出し、携帯で動画を確認する。
動画では会場が映っており、大会の紹介をしていた。
「皆様この会場を拝見頂きありがとうございます! この大会はヴァーチャルの存在での最強は誰か? 皆様疑問に思ったのではないでしょうか? そこで我々が大会を開き最強のヴァーチャルを決める戦いをしてもらおうではないかと考えたわけです。今回のために全てのVにエントリーを絶対条件にして、このゲームを三カ月間許諾しておりました。 ヴァーチャルイースポーツ! 略してヴェースポーツ! さあ! ここで最強が誰かを決めて貰いましょう!」
その動画では会場が大いに盛り上がっていた。
少女は静かにそれを見ている。
「もちろん上位に入り込んだ者には豪華景品を用意しております! まず優勝者には商品券一万円分、二位には商品券五千円分、三位には商品券三千円分を用意しております! そしてVならではの景品を用意しております! 壇上に出ているVには販売予定のホラーゲームの二日前からの先行プレイの権利を差し上げます! そして上位八名には自社との一年間の配信許諾。 これは企業の方であれば所属してる全員に許諾の契約の話をします。 そして、このゲームの宣伝Vになってもらいます! 更に上位三名に入られた方はメインキャラとVのコラボぬいぐるみを販売いたします!」
その動画を見て少女は、
「大会出る準備をしますか!」
と、気合を入れてPCに目を向く。
そこで配信を始め、コントローラーを持ち、スティックを回転させて確認する。
コントローラーの異常が無い事を確認してから配信に付いたコメントを見る。
そこにはコメントで挨拶とかがんばれのコメントで溢れていた。
「今日は頑張っていくぞー! みんな応援よろしく!」
話をしながら少女はトーナメントの確認をしていく。
その間のコメント確認も怠らない。
「こっそりホラゲーも待ってるってコメントも見てるからね!? やらないからね!?
何気にホラーコラボ待ってるじゃないの!? 私は格ゲーVだからね!」
コメントとのやり取りをしながら大会のセッティング準備を整えていく。
「何だかんだしてる内に準備もできてきたね。 向こうさんも準備できたみたい」
ここで一呼吸置いて、
「今日もぐるぐるするぞ! 対戦よろしくお願いします
ヴァーチャルイースポーツ トマトも柄 @lazily
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます