みかん記念日

 今年もみかんの季節がやってきた。


 今季初めてのみかんは西海みかん。長崎のみかんだ。

 酸味もあるけど、思ったより甘い。


 私はみかんを食べるのが好き。そのために生きていると言ってもいい。

 温州うんしゅうミカンの読み方だってわかるし、品種の違うもわかっちゃうんだ。

 私が好きなのは青島温州。青島さんが見つけたおいしいみかんだ。


 なんで私がそこまでみかんに詳しいかって言うと、昔静岡に住んでいたことがあったからだ。

 冬になったらスーパーに行く度にみかんを買って、たまには直売所にも行った。

 静岡のみかんは安くておいしかった。他の果物はなかなか買えないけど、みかんなら気軽に買えた。

 きっとそのせいで、寒くなったらみかんを無性に食べたくなる病気にかかっているんだ、私は。

 おかげで今も、みかんに対する財布の紐は緩い。


 でも数か月後にはまた、おわりの季節がやってくる。

 だんだんと味が薄くなって、皮がしわしわになって、値段も高くなる。

 そんなみかんにはだんだんと手が伸びなくなっていって、気づいたらいつの間にか売り場からその姿を消している。


 おわりの時期は、ちょうど河津桜が咲き始める頃だったと思う。

 春が来れば、みかんたちはいなくなる。ほんと、桜のように……散っていく。

 

 だからみかんがいなくなるまでに、一年分のビタミンをためなくちゃ。

 そしてみかんたちには、夏の光をたっぷり浴びて、また来年分のビタミンを、私のために作ってもらうんだ。


 ……なんて、小難しいことを考えてみることもあるけれど。

 考えていても、しょうがない。

 そんなことをしている暇があったら、みかんを剥こう。

 みかんの剝き方にも色々あるらしいけど、私はちまちまと時間を掛けて剥くのが好き。その時間さえも、なんだか幸せに感じる。

 でも今年はなにか、新しい剝き方にも挑戦してみようかな。


 よーし、今年も手が黄色くなるまで食べてやるぞ!


 そんなことを思いながら、こたつの上のみかんに手を伸ばす。

 ほんの小さな幸せだけど、これから少しだけ幸せな日々が始まる。

 少しだけ、温かい日が続く。


 11月14日――今日は私のみかん記念日。






(本作品は、筆者と生成AIの会話を元に、筆者が書いた作品です)


挿絵

https://kakuyomu.jp/users/rural-novelist/news/16818093088638317749

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