第21話 夜月兄妹VS師匠
こっちも、よろしくお願いします。
このS級探索者は、一階層しかないE級ダンジョンすら攻略できません。~実際は、一階層ボスが強すぎる件~
https://kakuyomu.jp/works/16818093088673468830
エロゲの世界だろうと、俺は俺の道を笑いながら突っ走る。そしたら、ヒロイン達が俺を走って追いかけて来たんだけど!?
https://kakuyomu.jp/works/16818093088923300230
異世界から帰ってきた勇者様、今度はラブコメの親友ポジとして暗躍するようです。
https://kakuyomu.jp/works/16818093088992457053
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺達3人以外の4人を現実世界に帰してから師匠が言う。
「刀命、日向よ。最後に一戦やるのじゃ」
その言葉に、渋々了承して、俺と日向は全力で力を解放する。
「ほれ、かかって来るのじゃ」
その言葉を合図に、日向が一気に飛び出し距離を詰め、拳撃をお見舞する。
しかし、師匠は、それをものともせず捌いていく。
「相変わらず、儂の出力を超えるとは、出鱈目な出力じゃのぉ」
そう、日向のあらゆる力の出力は師匠のそれを軽々と超えるのだ。
師匠の軽口には答えず、日向は技を放つ。
「神喰流体術 秘奥が
亜光速に達する掌底を師匠は、その手に持つ糸巻き棒で後ろに軽く受け流す。
それでも、師匠の後ろの大地が大きく抉れクレーターが出来上がる。
だが、日向も受け流されることは織り込み済みだ。
「秘奥が
師匠に息付く暇も与えないとばかりに連撃を叩き込む。その度に空間は砕け散る。
嵐のような連撃を繰り出す日向。これには師匠も全ては受け流せないと判断したのか、後方に転移をする。
待っていたぞ。この瞬間を...
「神喰流剣術 秘奥が
全ての神喰流の中で最速の技を本気で師匠に放つも、いとも容易く防がれる。
「刀命!疾くなったのぉ!お主が仕掛けてくるのを今か今かと待っておったぞ!!」
その言葉を無視して、剣撃を浴びせ続ける。
俺が刀を振る度、刀の軌道上の空間は切り裂かれ、師匠の柔肌にもかすり傷が無数に出来るが、師匠は涼しい顔をして真っ向から打ち合ってくる。
刀と糸巻き棒で鍔迫り合いとなる。師匠が顔を近づけて来て。
「随分と強くなったのぉ!昔だったら、既に、地に倒れ伏していたところじゃな!」
弟子の成長が心底嬉しいのか、頬を紅潮させ興奮している。
その最中、一気に脱力して師匠の力を後方に流しし体勢を崩させる。師匠に一瞬の間が生まれるが、それは隙と呼ぶには烏滸がましいが、それで十分だ。
その間に、跳躍しながら魔法の鎖で師匠を拘束する。
一瞬にして鎖を砕くが、ほんの刹那の隙が生じる。
それを、日向が逃すはずもない。
「秘奥が
日向の技の中で、最強の一撃を、更に神力で強化して、師匠に当てる。
完全に世界が、日向の一撃の威力に耐えきれずに崩壊する。
虚無の中に投げ出される。
が、俺達からしたら、そんなことは些事にも等しい。
それに、直撃したはずなのに、着物が傷んでいるだけで師匠自体はピンピンしている。
「日向!全力で畳み掛けるぞッ!!」
「分かった!!」
権能を完全解放する。
『秩序掌握ッ!』
『金烏玉兎ッ!』
日向が虚無の中に太陽を顕現させ、掌を師匠にかざす。
『焼滅』
太陽から師匠に向かって、光の柱が堕ちる。それは、万物を焼き滅ぼす光の柱。
突然、背後に悪寒がした。
『併在』
振り向くと眼前に糸巻き棒があり、顔面に直撃するが、構わずに刀を首に向かって振ると驚いた師匠の声がする。
「ぬっ!?」
左手だけで俺の刀を真剣白刃取りをした師匠が目を見開いている。
「お主の顔面を確かに殴ったはずじゃ。じゃが、ダメージが無いどころか手応えすら無かったのぉ?お主...一体何をしたんじゃ?」
初めて、師匠を驚かすことが出来たな。でも、なんで全力の一撃を左手だけで止められるんだよ!!
「ハッ!教える訳ないでしょ!知りたけりゃ暴いてみろよ!てか、なんで、ちょっとしか火傷してねぇんだよ!モロに直撃だったろ!!」
師匠の気を引いていると、太陽が消えて月が現れる。その瞬間、一気に気温が下がり、虚無ですら凍りつく。
「2人だけで盛り上がって、私を仲間外れにするなんて、アタチ...寂しくて泣いちゃう...!」
おちゃらけた口調とは違って、強烈な殺気を放つ日向が師匠に蹴りを放つ。
「日向が寂しがりなのは変わっておらんのぉ!ほれ、刀命とまとめて相手してやる」
そう言って、日向の蹴りを右腕で受け止めるも、師匠の腕が凍りつく。
「ふむ、どうやら儂が本気を出しても大丈夫なようだのぉ。2人とも、直ぐに壊れてくれるでないぞ?」
師匠から出ている圧力が何倍にも膨れ上がり衝撃波となって俺達を襲う。
日向が咄嗟に幾億層もの氷の障壁を創造するが、9割方が衝撃に耐えきれずに吹き飛ぶ。
「マジですかい...リア姉の本気の魔法ですら数枚割るのが精々なのに...」
これまた、強大な気配を感じたと思ったら。
瞬間、日向が吹き飛ぶ。そこに目をやると、糸巻き棒を突き出した師匠がいる。
「むぅ、咄嗟に防がれたか...」
見た目も変わり完全に本気の師匠だ。
今までに与えた、かすり傷も無くなっている。
太陽と月が虚空に浮かぶ。日向もガチの本気か。
その影響で、虚無が燃えながら凍りつく。
師匠の背後に転移した日向がかかとを師匠の首筋に振り落とす。
「秘奥が
滅びと創造の矛盾した力を纏い、先程とは比較にならない一撃を繰り出す。
しかし、師匠は、その一撃を防御せずに敢えて受ける。
「うむ。コリを解すのには、ちと強さが足りんの」
そう言って、右手に持つ糸巻き棒を一閃。
日向に直撃するが、なんの影響も及ばさない。
納得したという顔で俺を見てくる。
「ほう...刀命よ。先程のお主のカラクリが分かったぞ」
師匠が喋っている間に、日向が転移して戻って来る。
「助かったぜ。お兄ちゃん様。後で、お礼のちゅーしてあげる」
日向が笑って、サムズアップをしてくるが、その笑顔は引き攣り、冷や汗を大量にかいている。
かく言う俺も、さっきから顔が引き攣っているのが分かるし、冷や汗も止まらん。
「要らんわ!てか、師匠。本当に分かってんですか...?」
そして、俺達と違い涼し気な微笑みを浮かべながら手招きをしてくる師匠。
「いいぜ。乗ってやるよ!」
『併在』
誘いに乗り、一直線に切りかかる。
それに対して師匠は、手刀で迎え撃ってくる。
師匠の首に刃が触れる。しかし、薄皮一枚も切り裂くことが出来ていない。
そして、師匠の手刀が俺の両腕を切り飛ばす。
「終いじゃ。刀命、強くなったのぉ」
噛み締めるように言われた言葉には、嬉しさと慈愛に満ちた声だった。
その直後、俺の意識は暗転する。
「...はっ!!」
意識が覚醒する。知っている天井だ。それに、後頭部に柔らかい感触がする。
「む?目が覚めたかの?」
逆さまの師匠と目が合う。
「どうじゃ?儂の膝枕は?」
「最高」
俺の答えにくすくすと笑いながら満足そうにしている。
体を起こす。両腕も生えている。
...どうやら、リビングの様だな。
確か...あぁ、師匠に意識を刈り取られたのか。
「なぁ、師匠」
「皆は、まだ寝ておるぞ。後、今は朝の6時過ぎといったところじゃ」
全てを聞く前に答えられる。
「じゃが、そろそろ起きてくると思うぞ。聞きたいことがあるじゃろうが、全員が揃った時にまとめて答えてやるからシャワーでも浴びてくるのじゃ」
介抱してくれたことにお礼を言い、シャワーを浴びに行く。
シャワーを浴び終わりリビングに行くと、全員が揃っていた。
「目が覚めたのね。アンタが気絶したと聞いた時は驚いたわ」
星火の言葉に、師匠と日向を除いた全員が頷く。
「取り敢えず、先ずは朝ご飯を食べようじゃないか」
果林姉に座るように促されたので着席して、皆で挨拶をして食べ始める。
ある程度、食べてからリアが話を振ってくる。
「刀命様は、菊理さんとの模擬戦で気を失ったのですか?」
「あぁ、ボコボコにされた」
その答えに、6人が驚く。
「はいはい!刀命君と日向ちゃんはガチの本気だったの?」
海の問いに日向が答える。
「うん、私とお兄ちゃんが全力で行ったけどダメだったよ」
それを聞いて、うげぇって顔をする海。
「ねぇ、気になっていたんだけど。あっちに約7年いた訳だけど、なんで見た目が一切変わらないのよ?」
星火が俺達の顔を見渡しながら不思議そうにしている。
「うむ。あの世界はご都合主義の塊のような世界でな。
儂と刀命と日向が、あの世界の絶対的存在じゃからの、儂らにとって、不都合なことは起こらないように、刀命が理が定めたのじゃ。
じゃから、お主らが狂ったり、死んだりして、修行が出来なくなるようなことにはならんかったのじゃ」
ドン引きしつつも、俺に恨めしそうな視線を向ける一同。
まぁ、俺が理を定めたせいで、俺を含め地獄を見たからな...
気を取り直して、師匠に質問する。
「あと、師匠はなんで俺に攻撃を当てられたんだ?」
すると、師匠は、なんでもないかのように答える。
「なに、お主が『攻撃を避けたが、反撃は出来なかった』という結果と『攻撃は当たるが反撃をした』という結果の両方を併存させて、『攻撃は当たったけど当たっていないが、反撃はした』という、矛盾した結果にしたのじゃろう?」
全部お見通しかよ...
「じゃから、お主の改変した結果に繋がる
新しく、お主と『攻撃を避けたが、反撃はしなかった』という結果を縁の糸で結び直したのじゃ」
それは、ズルぺこじゃん...
「そんなん、無理ぢゃん」
俺の言葉を否定する師匠。
「じゃが、お主の縁を断ち切る時、初めて切りづらいと思ったんじゃ。
お主は、儂の因果には干渉してこんじゃろう?それは何故じゃ?」
「師匠と実力がかけ離れているから、そもそも干渉できない」
「うむ、そうじゃ。儂が、お主の縁を切るのに抵抗を感じたことは、前までは無かったことじゃ。
つまり!お主の実力が、儂に近付いてきている証じゃ」
「マジか!?」
ヤバい!!師匠に認められ、近付いているのを実感したらテンション上がってきたわ!!
「うむ。よく頑張ったのぉ」
近付いてきて頭を撫でながら褒めてくれる師匠に嬉しさの余り思わず涙ぐむ。
「相変わらず泣き虫じゃのぉ。昔から、そこだけは変わっておらんの」
その後、いよいよ黄泉ノ国に行くということで準備を各自進めて、出発の時となる。
海とよっちゃんの提案で黄泉ノ国で配信をすることにした。
普通は出来ないが、撮影用のドローン等の機材は、俺と日向の力で改造済みなので全く問題ない。
ということで!
【緊急配信】師匠である"閻魔王"を手伝いに黄泉ノ国に最高戦力で行くぞ!!
祖父「孫よ、ダンジョン配信しないか?」 俺「いいよ」 ダンジョン攻略ついでに強者のプライドへし折ってくるわw 略:『孫ダン』 あくはに@ 『孫ダン』執筆中 @Akhn496
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。祖父「孫よ、ダンジョン配信しないか?」 俺「いいよ」 ダンジョン攻略ついでに強者のプライドへし折ってくるわw 略:『孫ダン』の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます