第18話 文化祭
【変更点】
アナスタシアの年齢を16→19に変更しました。
果林姉と同い歳です。
あと、日向が刀命の将来のお嫁さん達(日向の独断かつ確定事項)を呼ぶ時は、人数が増えてきたので、〇〇お義姉ちゃんと呼ぶのが面倒くさくなり、〇〇姉と呼ぶようになった。
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さて、文化祭2日目である。
1日目は、生徒のみだったので割愛する。特に面白いこともなかったしな。
俺たちのクラスは開店準備も終わり、あとは開始時間を待つだけとなった。
開店してから、そこそこの時間が経過するが、未だに人がめっちゃ来る。
しんどい...
すると、入口の方が騒がしくなったので、また問題が起きたのかと思い、智に様子を見てくるといい駆け寄る。
ちなみに、問題の大半は盗撮やセクハラ的なことがずば抜けて多い。その度に、魔法で拘束して警備員の待機所に転移させてる。
...不能になる呪いもおまけ付きで。
そして、入口の前に着くととんでもない美少女と美人さんがいた。
そう、リアとアナさんの2人である。
俺のことを見つけた2人は満面の笑みになる。
「刀命様!お久しぶりです!そのお姿もとてもカッコイイです!」
「刀命様。一週間ぶりですね」
2人とは定期的に遊んでいるので、初めましてではないのだ。
実際、一週間前にリアとアナさんと俺と日向の4人で、とある女性VTuberのライブに現地参戦してきたのだ。
元々、リア以外がオタクであったため、オタトークで盛り上がっているのをリアが見て興味を持ち箱入り娘のお嬢様だったリアは見事、ただのオタクへと成ったのだ。
そのライブに参戦した時の写真をSNSに上げたら、本人から認知され、逆に泣いて喜ばれるというファン冥利に尽きる出来事もあり、さらに彼女の所属する事務所から企画参加オファーが来たのは別のお話。
2人には文化祭の日にちを伝えていたので、遊びに来たようだ。
リアなんて、「これが、ラブコメでもイベントとして重要な文化祭ですね!」なんて言いながら目をキラキラさせていた。
席に案内して、注文を取り奥に伝えに行こうとすると、智に「刀命君はお二人の対応をしておいてよ!」と、その場に残って相手をするように言われた。
その後、一緒のシフトになっている星火が注文した和菓子を持ってやって来た。
「久しぶりね。2人とも」
「あっ!星火さん、お久しぶりです!」
「星火さんもお久しぶりです」
そうやって、4人で喋っていると、一緒に周りに行っていた、メイド服姿の日向と海とよっちゃんもリアとアナさんがいると聞いてやって来た。
日向の所は、メイド喫茶らしい。もちろん、露出は少なくさせた。
「久しぶりー!リア姉!アナ姉!」
「ホントにいるよ!久しぶりだね!」
「ん、お久」
そう、俺と日向は長距離転移を使えるから遊びに行ったり、2人が日本に行きたい時は迎えに行ったりしているのだ。
まぁ、2人と実際に遊んだりするようになる前から女性陣だけのコミュニティがあって全員がリアとアナさんとは既に友達になっていたのだ。
仲間外れにされた訳では無いのに、何故か悲しくなっていると、海がリアに質問している。
「あれ?リアちゃんって飛行機で来たの?」
「あっ!そうです!皆さん聞いて下さい!私、長距離転移を完全に使えるようになったんです!それも、刀命様と日向ちゃんが教えてくれたお陰です!ありがとうございます!!」
「マジか!?」
驚いた。長距離転移を教えてから二週間しか経ってないぞ。数ヶ月はかかると思っていたのに。
日向も驚いているようで、
「リア姉ってホントに天才だね。絶対、私達兄妹より魔術の才能あるよ!ねぇ?お兄ちゃん?」
頷いて、日向の意見に全面的に同意する。
星火が呆れたようにリアを見る。
「前々から思ってたけど、エッグいわね」
海は羨ましそうに言いながらリアに後ろから抱き着く。
「いいなぁ〜。僕もリアちゃん位の才能欲しいよ」
よっちゃんは、アナさんの膝の上で餌付けされながら言う。
「ん、私も欲しい」
一方で、そう言われたリアは顔を真っ赤にしながらブンブンと首を横に振る。
「いやいや、皆様なんて私じゃ到底及ばない才能を持ってるじゃないですか!!」
そう否定するが、星火、海、よっちゃんの3人は信じず、リアをいじっている。
まぁ、そうだよな。リアはたまに狂気を感じることはあっても基本は謙虚でとてもいい娘なのだ。
すると、アナさんが俺と日向に聞いてくる。
「実際の所、よっちゃん様達の才能はどうなのですか?」
日向が「お兄ちゃんが言ったら」と目で伝えてくるので俺から言う。
「ぶっちゃけ、ベクトルは違うが3人とも化け物みたいな才能を有してるよ」
そして、若干ジト目を向けてくる日向にパスする。
「うん、お兄ちゃんの言う通りだよ」
星火が食い付いてくる。
「刀命に化け物と言われるのはすごく業腹だけど、どこがすごいのかしら?」
星火の言葉に同意を示しながらも、俺の脇腹をツンツンしながら言ってくる。
「刀命君、女の子に化け物みたいはダメだよ。僕達だから許されているっていうのを忘れないように!」
「うっ、確かに女性に対して失礼だったな。すまない」
「うむ、僕は寛大だから許してやろう!」
海に許しをもらったあと、よっちゃんにも「早く言って」と目で急かされたので、簡潔に説明する。
「そうだな。結論から言うと、3人には各々、星火は双剣と直感、海は身体操作と適応能力、よっちゃんは魔力操作と視野の広さ、といった感じで俺達を超える才能というより、潜在能力がある」
その後から日向が受け継ぐ。
「そう!だからお兄ちゃんと私はお義姉ちゃん達の潜在能力を解放するための修行を行っているんだよ!ちなみに、リア姉は既に解放済みだよ!」
俺達の言葉を聞いて絶句する3人。
真っ先に復帰した海が聞いてくる。
「...え、じゃあ僕達はいずれ、今やってる修行を乗り越えたら刀命君と日向ちゃんに匹敵する実力が手に入るの?」
「まぁ、神力を解放していない状態の全力の俺相手であれば、潜在能力を解放した後に修行をちゃんとすれば10回に2,3回は勝てるようになると思うぞ」
そう答えると、星火がめっちゃドン引きしながら口を開く。
「それでも、2,3回なのね...」
いいや、それは違うぞ。と言おうとしたら日向が星火に言う。
「星火姉、それは違うよ。そもそも、夜月家の者に刃が届くこと自体、数千年の歴史の中で一回もなかったんだよ?それなのに、ただの人の身で私達に刃を届かせうる存在が、この場に4人もいることが、この世界にダンジョンが現れたことよりも異常なんだよ」
日向の真面目な口調に気圧される星火。そして、俺達2人を除いた、この場にいる5人と聞き耳を立てていたお客さん達が事の重大さを理解したようだ。
周りが驚愕で固まっている中。ある意味大物が3人も現れる。
「ねぇねぇ、そこの女の子たちさ。そんな、自称SSランクなんて放っておいてさ、本物のAランクの俺達と気持ちいいことして遊ぼうよ」
うわぁ、出たよ。
まだ、俺の配信をCGだヤラセだって言っている連中なんだろうなぁ。
しかも、コイツら迷惑系じゃん。配信も回しているみたいだし。
だが、この教室にいる者には認識阻害の魔法が施されているため、撮影されても顔が映らないようになっている。
一応、マニュアル通り対応するか。
「配信を止めてください。文化祭での配信行為等は禁止されています。」
そう言っても、ニヤニヤと笑って気持ち悪いことを言いながら近ずいて、アナさんの腕を掴もうとする。
だが、俺は動かない。
『止まって』
魔力が込められた、強力な言霊が日向から発せられる。
その瞬間、男達の動きが止まる。
「は?なんで体が動かねぇんだ!」
「おい!女!何をした!!」
「ぶち殺すぞ」
醜く喚く男たちを尻目に日向が言う。
「ちょうど、いいから、別に神の力を使わなくても夜月家の一族が強い所を見せておくね」
『黙って、平伏して』
男達が、その場に膝を付き頭を垂れる。
「ホントにAランクなの?私のお義姉ちゃん達は、同じAランクだけど、この程度の言霊なんて弾けるよ」
妹よ。そうは言っても、あの3人は俺達が鍛えてるから既にSランク上位の実力はあるんだぞ。
「どうする?お兄ちゃん」
「警備員さんの所に無力化して、転移させてくれ」
日向の質問に、男達に不能の呪いをかけながら答える。
「OK!」
『潰れて』
あっ...思わず、股間を抑える。だって、日向が男達のキャン玉潰して、転移させた。
俺が不能の呪いかけたの気付いているのに、やりやがった。
当の本人は、こっちに振り返って満面の笑みで抱き着いてくる。
「ほれ!私は頑張ったから褒めるがいい!!」
そう言って、頭を突き出してきたので撫でてやると、嬉しそうにするので、色々と気にするのはやめた。
その光景を見た、1人のお客さんが「すごい」と呟いたのを皮切りに、クラスメイトやお客さん達がが口々に
「流石、夜月君の妹ちゃん!」
「嬢ちゃん、カッコよかったぞ!」
「可愛くて強いとか最強じゃない!?」
「こんなに強い人がいるなら、日本も安泰じゃな!!」
と皆して、日向を褒めちぎるので、顔を赤くしながら恥ずかしがって、俺の胸に顔を埋めると周りから余計に歓声が上がる。
特に、アナさんから...
いや、アナさん、貴女どこから一眼レフなんて取り出したのよ?
「日向様がとても可愛らしいので写真撮りますね!美少女メイドがご主人様に甘えている様なこの構図、最高ですよ!!」
とまぁ、若干カオスになりつつも、文化祭は進むのであった。
ちなみに、しっかりとアナさんが撮った写真を貰うことを約束した。
それと、あの男達は探索者資格剥奪された。さらに、世間では大批判され、ネットではおもちゃにされたりと散々だったようだ。
実際、あの場に俺と日向が居なくとも元とはいえ世界最強のリアとAランクが3人もいて勝てるわけが無いのに、ナンパするとか馬鹿なんじゃねぇのとは思ったわな。
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