第14話 【雑談】SSランク探索者が質問に答える。①

 さて、全員の自己紹介も終ったし、質問コーナーに入るとするか。


「うし!じゃあ、質問コーナーに入る前に、あのゴブリンのこと俺のこと、SSランクについてを話していくぞい!」


「ん、ぞい!」


 膝の上のよっちゃんの前で拳を握り気合いを入れる。それを、よっちゃんが真似する。はい、可愛い。


 "え?"

 "え?"

 "温度差w"

 "は?"

 "あー、こいつの本性知らない奴らかw"

 "俺も知らなかったら、こんな反応してたかも www"


 そんなコメント達を尻目に語り始める。


「まず、我が一族の家業について話そう。俺らの一族は鎌倉以前から存在する武家となっている。はな。実際のところは、確認できる最も古いご先祖様は邪馬台国の女王"卑弥呼"であるが、実際はもっと続いているだろう。そして、我が一族には八百万の神々達と交わした契約が我が一族の初代様の頃より受け継がれている。

 その契約の内容は《葦原中国、下界に現れた神格を得し悪しき妖の討伐。もしくは堕ちた神を殺す。》といった内容だ。そして、その契約を履行し続ける限り、永遠の一族の安泰が保証されるんだ。

 さらに、我が一族には特殊な能力が元々備わっていた。その力とは、倒した神を喰らい、その全てを強奪する力だ。倒しては喰らい、倒しては喰らいを数千年続けた結果。我らが一族は限りなく神に近い存在と成った。

 しかし、神の力は神相手にしか使えないんだ。だから、我らが一族は圧倒的な力を手に入れても驕ることなくい続けられたのだ。

 そして、今から50年前、ダンジョンが生まれた。ちょうど、じいちゃんが現役だったからダンジョンに潜ってみると、不思議なことに魔物相手には、神としての力を使うことが出来たのだ。そこで1つの仮説がたった。《ダンジョンとはこの世界もしくは、異界の神が関わっているのではないのか》と。

 その結果、分かったことがある。それに大きく関わってくるのが、『星海の夜』を襲った、あの逸脱したゴブリンだ。

 皆も《超越種》については名前くらい聞いたことあるだろう?

《超越種》とは、今まで地上で生まれてきた神格を得た妖や堕ちた神というのがダンジョンが生まれた瞬間、気味が悪い位にピタリと生まれなくなった。何故か?

 それは、その者達をダンジョンが喰らっていたのだ。そして、その力を引き継いで生まれた魔物こそが《超越種》だ。

《超越種》の特徴として挙げられるのは2つ。

 1つ、気配を一切感じない。

 神の気配というの普通の人には感じられないものだからな。

 2つ、体の何処かの色がが金や純白に変化している。

 特に瞳が金色になるか体毛が純白になるかの2つが多い。

 実際、あのゴブリンは気配を感じなかったし、瞳も金色に変わっていたしな。

 ここで、さっきの仮説に戻る。俺達は《超越種》の気配を読み取れる。そして、その中に、この世界の神ではない、異界の神の気配がするんだ。

 その結果から、俺達は1つの結論を出した。それが、『この世界は50年前にどこかの世界と繋がった。その影響でダンジョンが生まれたのではないのか』というものだ。

 そして、世界で初めて生まれたダンジョン《試される大地》はダンジョンの中でも特別異質な存在だ。なので、内部を細かく探索したこともあるが、もしかしたら異世界の環境に近いのではないかと思っている。

 さらに《試される大地》が出現した付近で1人、行方不明者が出ている。もしかしたら、異世界にのかも、なんて思っていたりもするが考えすぎだろう。

 後は、SSランクについてだな。今話した事をじいちゃんの代からWDAに報告したり、研究資料を渡したりしていたからな。実力と実績を認められて、既存のランクには収まらないということで、俺のためにSSランクが新設された。実際、Aランクダンジョン10個単独攻略と《超越種》一体の討伐のどっちが難しいかと聞かれたら、《超越種》と一体だなぁ。

 んで、配信するのが俺だけだから、探索者カードは俺の分だけ発行してもらったな。今までは《超越種》が出た場合、WDAから依頼を受けて討伐っていう形だったから、探索者カードは無くてもダンジョンには入れたな。だけど、配信するとなると、流石に必要だろってなって発行することになった。

 あっ、後、SSランクに昇格するための条件は家族総出で決めた事だな。

 まぁ、多分皆が共通して聞きたがっていることは大抵言っかな?この話を踏まえて質問をしてくれ!」


 と話終わると、コメント欄は一切動いておらず。星火と海、夜奈に至っては目を見開いて俺の事を凝視している。


 反応が無い。困ったな...そうだ!ここは一言!






「あれ?俺達なんかやっちゃいました?」

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