第13話 【第二回】配信開始!

『星海の夜』を助けた後は色々あったけど、1番驚いたことは、夜奈が昔良く遊んでいた"よっちゃん"であったのだ。


 それに、星火と海にも詰められて大変だった。


 でもさ、ぶっちゃけ俺すごくない?だって、出会って2時間の初対面の人(しかも、美少女配信者達)とここまで仲良くなるの。


 しかも、夜奈はうちに住むことなったし、星火と海はしばらく泊まることになったし、


「フッ、我ながら恐ろしいものよ...」


「ん?」


 おっと、口に出ていたようだ。膝の上のよっちゃんが見上げながら首を傾げる姿はらうたげなり(可愛らしい)。


 思わず頭を撫でる。


「ちょっと!イチャイチャしてないで始めるわよ!」


 何故か不機嫌そうな星火に急かされる。


「夜奈だけナデナデはずるいと思います!僕にもナデナデを所望します!」


 頬をふくらませた海には、謎の抗議をされたので、とりあえず撫でておく。


「えへへっ」


 こいつも可愛いかよ!


 星火にすごい睨まれている。多分2人のことは撫でるのに自分は撫でないのか?ってことだな!愛い奴め!頭をわしゃわしゃする。


「何すんのよッ!馬鹿ッ!せっかく髪も整えたのにぐちゃぐちゃになるじゃない!」


 そんな、顔真っ赤にしてまで怒ることないじゃん...


 そんな時に、愛しの妹日向から配信準備が完了したと言われる。


「おにぃーたーん、準備できたよー」


「おう!」


 仮面を付けて、3人を見ると既に配信モードに入っていた。流石プロ気持ちの切り替え速度がめちゃくちゃ早い。


「何時でも開始して良いぞ」


「それじゃあ、カウント入りまーす!10秒前!...9...」


 さて、切り替えますか。


「2...1...キュー!」


 その声と共に、画面に映るコメント欄がすごい勢いで動き始める。


 "SSランク本物マ?"

 "『星海の夜』も全員いるじゃん!"

 "その仮面、ゆで卵みたい"

 "おっ!シスコンの人じゃん!ちーす!"

 "○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね○ね"

 "あのゴブリン倒してたやつって何?"

 "セリア様とはどのようなご関係なのでしょうか?(っ ॑꒳ ॑c)"

 "結局、あのゴブリン何者?"

 "嘘乙"

 セリア・アーシェリア

 "月夜様の名が世界に轟く日が来ました!"

 "セリア様もよう見とる"

 "香ばしい奴いて草...生えないわ..."

 神崎 颯

 "SSランク直々に質問に答えると聞いて参上した。"

 "神崎 颯もよう見とる"

 "普通にコメ欄スゴすぎ..."

 "夜奈たんカワユス"

 "配信してる場所って、月夜の家?だとしたらヤバくね?もう、御屋敷ぢゃん"


「お集まりの皆の衆々殿。まずは感謝を、この場に御脚労してちょーだい頂おりきこと誠に感謝申し上げる。しかして、皆のものの疑問に思ったことには刻限の許す限り答ゑて参上する所存ゆえ、最後まにて視聴してちょーだいくじゃさると感激の極み。」


 そう言って、膝の上にまだいるよっちゃんを下ろし両拳を畳に置き頭を下げる。


 "固いw"

 "態度固すぎやろwww"

 "和服にそれはヤwバwいw"

 "ガチガチw"

 セリア・アーシェリア

 "これが日本の武士ですね!"

 "セリア様の言う通り武士って感じするわww"

 神崎 颯

 "画面越しに、この気配..."


 隣で、星火がポカンッとし、海が腹を抱えて爆笑しそうになるのを堪えている。


「せっしゃ月夜と名乗とはゐるもの故、WDAにて史上初のSSらんく探索者としてちょーだい任命させた者でござる。訳あとは、面と実名を公開致すことは出来なゐが許してちょーだい所望致す。」


 自己紹介をしきった瞬間、海の笑い声が響き、それを皮切りにコメント欄が加速する。


「ひーっ!月夜君ッ...それはヤバいって!...死ぬッ!...笑い死んじゃうッ!」


 "もろ武士www"

 "モロ節"

 神崎 颯

 "まつて。せnmうwww"

 "打ち間違え酷くて草"

 セリア・アーシェリア

 "...月夜様///"

 "セリア様が文字だけでメスになっているのが分かるwww"

 "フオオオオオオウアアアアアア!!!!!!!ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!!"

 "ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア""

 "脳破壊されてる奴いんの草"

 "すっげぇ夜奈ちゃん、キラキラした純粋な目で月夜のこと見てるぞww"


 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


 こんな感じで刀命の武士語による挨拶から幕を開けた配信は多くの人に色々な意味で衝撃を与えたのであった。


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