第4話 ある視聴者の悦び

 私、今とても興奮しています!だって!この方が本物のSSランクの探索者かもしれません!!

 彼の配信がたまたま目に映りどうせ偽物だろうと期待せずに見た瞬間。


 とても驚きました!


 私の眼は少々特殊な為、画面越しであろうと常人では感知出来ないような多くのことを知ることが出来ます。ですが、彼からは何も見ることが出来ませんでした。全力で視ようとしました。ですがその時、画面越しに彼と目が合ったような気がしました。いえ、「ような」ではなく確実に目が合いました!

 それに、私は幼い頃から色々な教育を受けてきました。その中に真偽を見抜くための教育もありました。そして、彼が言っていた衝撃的な内容は全て本物でだと判断しました。ですが、私が視ていることに気付いた彼なら、私程度を欺くことは容易いでしょう。

 というより、私はもう彼に心酔しきっています。自分でも信じられません。何者かも分からない彼のことを、たかが数分程度で心から信じきってしまう自分に。


「ふふっ」


 彼の全てを知りたい。彼の隣に立って、何を見て、何を聞き、何を感じているのか知りたい。


『信じるも信じないのも好きにして下さい』


 画面の中で彼がそんなことを言っています。もちろん


「私は信じます!」


 それにしても、先程から鬱陶しいゴミがいますね。今すぐにでも処分してしまいたいです。


『riaさん、ありがとうございます!頑張るんで見ていて下さい!』


「あぁ///月夜様が私のことを愛称で呼んでくれました!!」


 良かったです!日本語を勉強しておいて!思わず濡れてきてしまいました。


 そうだ!日本に行きましょう!


 そして、彼と仲良くなり最終的には...


「ふへへ」


 とても楽しみです!


「アナ、日本に行く準備をして下さい」


「リア様、既に始めております」


「流石です。アナ!やはり持つべきものは自らの理解者ですね!」


 待っていて下さい、月夜様!

 この、セリア・アーシェリア!

 すぐに貴方の元に参ります!


 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 Side:アナスタシア・フィニアス


 わたくしはリア様に仕えているアナスタシア・フィニアスと申す者です。


 そして、私はとても驚いております。


 何故なら、リア様は今まで男性に興味を持たれることが一切ありませんでした。ですが、1人の男性に好意を寄せているのです。リア様に仕えて10年以上。このようなリア様を見るのは初めてのことでございます!


 あぁ、リア様。なんて可愛いのでしょう!


 月夜様は、おそらくリア様と同年代の方でしょう。


 となると、リア様と月夜様の甘々ラブコメが見れるのではないでしょうか?月夜様を見ている感じ女を知らない感じがします。そして、リア様も男性を知りません!


 これはてぇてぇの波動を感じます!リア様を揶揄いまくって差し上げましょう!


 きっと、いや絶対可愛いに違いありません!そんなリア様を見れば月夜様もイチコロです!


 あ、嫉妬しているリア様も見たいので、ワザと月夜様に私の体を密着させてみましょう!


 これは、とても日本に行くのが楽しみです!

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