3.振り変えるな!

 振り返るな! 過去に囚われ

 いつまでも くよくよするな


 そう言われても、思い出す

 あの頃あの時、あの場所で起こった悲劇を


 僕は忘れることは無い 


 言われてみれば、そうかもしれないけど

 骨身にもしみるような、虚しさに襲われた


 いつも一緒にいたあの人は、言っていた

 「君はいつまでも“子供”だ」と


 その人はまだ、大人じゃないけれど

 僕よりずっと大人だった


 頼もしかった、その人は

 僕に起こった悲劇が起きるまでは


 「心の奥が空洞で、何も無い。お前はそんな人間か」


 言われてみれば、そうかもしれないけど

 確かに僕は中身がない


 でも僕は、こうしてそれに気づかされ

 心を満たそうと努力した


 だがしかし、それでも皆から認められず

 いつまでたっても満たされない


 でもいつかは 何もしなくても満ちていく

 だからあきらめ、忘れよう


 振り返るな! その人は決して間違っていない

 あの時、あの場所で言われた言葉を


 決して忘れることが出来なくても

 それに囚われ、足をすくわれるな


 そうでなければ、僕はいつまでたっても成長出来ないんだ!

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徒然なるままに書く詩 中原 美槻 @nky_kny

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