第2話 轢かれた生徒たちと先生の戦い

向かい側のプラットフォームから駆け足で、進路指導のメギド先生が時空の歪みを見つけて、足早に線路に飛び降りた。

「ワームホールか、モンスターが飛び出すとイカンな」

時空間の魔法で、急いで魔の空間を封じようとするが、ガーゴイルの長い手が、ぬっくと現れて、爪を伸ばした。翼を折り畳んで、抉じ開けようとしている。

メギド先生がガーゴイルの弱点を突こうと魔法を詠唱しようとすると、ミライ先生が気付いて、登下校のスクールゾーンから排除するために加勢した。それに、彼女は聖魔法の達人でもあった。

セイントボムをビットのように操り、無限に強かった。そして、ガーゴイルとの相性を考えると、戦闘は早期決着の一本槍である。

そして、メギド先生が、丁寧に時空の歪みを直していく。

ミライ先生は話し掛けた。

「やれやれ、うちの子は問題児ばかりですね」

メギド先生は、耳の鼓膜が圧迫されて、少し聞こえにくかった。

「ここの汽車にあるタイムチャートとワームホールの開閉が、たまたま出くわして、このような事故は起きるものです」

いいのですよ、われわれの時空間は安全で・・・と、呟いたままプラットフォームに肘を掛けて、身軽にも飛び乗った。

「それにしても、線路にかれなければいいが」と口籠くちごもった。

「うちの学校の生徒ですし、大丈夫ですよ。校内に戻りましょう。間もなく始業ベルが鳴りますよ」

ミライ先生は、楽天家でもある。

「そうですね」とメギド先生は、あっさり、その場を後にした。

汽車に轢かれる?線路に轢かれるっていうのは?まぁ仕方ないか、時空間魔法で戻って来るだろう。

それにしても、不気味なガーゴイルがいたものですね、そうひと言だけ残して、立ち去ったのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る