第117話
コロナに感染したことで、僕はアカデミーの運営を始め、仕事関係各位に感染の報告をすることになった。正直感染したことよりも、この対応のほうが負担に感じていた。マスクも消毒も換気も気を付けていた自分がまさか感染するとは思ってもみなかった。だが、よくよく考えれば家の中ではマスクを取るし、家の中で感染しないとも言い切れない。どれだけ感染対策をしていても、今は誰しもが感染する可能性があることに、僕は身をもって実感した。
そこで僕は、SNSでコロナに感染したことを公表。するとぜひもっと情報を発信してほしいと言う意見が多数出たため、仕事で活用していたブログサイトに備忘録として、感染経緯やPCR検査、濃厚接触者の定義などを発信し続けた。
当然、SNSで繋がっている友人や知人の間には、瞬く間に僕がコロナに感染したことが広まっていき、SNSやLINEでは励ましのメッセージを多数いただいた。
当時の保健所からの定義に則ると、アカデミーレッスンでその場にいた人たちは濃厚接触者にならなかったが、何より陽性と分かった数日前まで、共に長時間稽古をしていただけに、危うく子どもたちを危険な目に遭わせるところだった。僕がコロナになったことで、急遽運営会議が開かれ、僕はLINE通話で、声のみの参加をした。
自宅療養の間は、保健所から冷凍の食事が毎朝届いたのだが、この料理の味が元々薄いのか、まだ味覚障害なのかよく分からない状態が続いていた。味覚障害とその直後に起きた嗅覚障害は何とか4日で済み、味覚も嗅覚も取り戻すことができたが、今度は母の体調が悪化し、弟と入れ替わるようにホテル療養になった。そして、ずっと無症状だった父にも味覚症状が出始めていた。自宅療養の約2週間を過ぎた後も、大事を取って僕は月末までリモート対応をし、父も会社のガイドラインにより月末で自宅待機が続き、外に出られないことがストレスに感じていた。
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