第105話

2020年新春、僕は専門学校時代に姉妹校で親交のあった後輩のHAと共に初詣のために熱田神宮を一緒に訪れていた。三箇日が終わっても、まだ新年の雰囲気はまだ残っており、参拝客も数多くいた。何より驚いたのは、駅近くの駐車場の料金が年末年始特別料金で1000円になっていたことだ。

おみくじを引き、出店のカステラをつまみながら歩いていると、せっかく名古屋まで遊びに来たのだからどこかへ出かけようという話になり、ショッピングセンターまで足を運んだ。連絡は取っていたが直接会うのは久しぶりだったので、クレープとタピオカミルクを口にしながらいろんなおしゃべりをした。この春で専門学校を卒業してから、丸3年が経とうとしていた。僕の学校は、今やプロゲーマーを目指すためにeスポーツを前面に押し出した学校になっており、やはりクリエイティブな学校は時代の先端を行くものだと実感した。


数日後。パフォーマンスグループからアカデミーとなって最初のレッスンが始まった。僕や、市民ミュージカルで共演したLOや、市民ミュージカルで共演した小中学生を除いた新規の顔ぶれも、小中学生ばかりだった。当然僕がグループに戻るきっかけを作ってくれたRAもその小学生たちの中におり、僕の姿を見るなり勢いよく抱き着いてきた。

レッスン内容は演技、ダンス、歌、メディアという4科目で、メディアはKKが担当し、ダンスは市民ミュージカルでダンス指導をしたMM、歌は最初の舞台の時から作曲をしてくださっているHHと、市民ミュージカルのメインキャストの一人であったJHが担当。演技はKKの知人親子が担当することになり、新たな顔ぶれでスタートを切った。

レッスンが終わると、そのまま公民館の会議室に移動して、運営と講師による会議が行われた。変わらず僕は書記であり、メンバー兼運営という立ち位置で意見を言うことになり、ここでの活動をライフワークにしていこうと思った。

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