第104話

世間ではクリスマスムード一色となり、また忘年会シーズンともなっていた。ある日僕は、ファミレスでパソコン片手に作業をしていた。会う約束をしていた、市民ミュージカルで共演したモデルのTAが遅れてやってくると、僕は持参した名刺の束を渡した。一週間前、僕はTAにお願いされて名刺制作を依頼されていたのだ。またこの日は、パソコンを見ながらTAのホームページを相談しながら一緒に作りながら、ファミレスに入り浸っていた。

それからしばらくして、僕はミュージカルで共演したLOたちと共に、ダンス指導をされたMMも出演する旗揚げ公演を観劇。これまでミュージカルや演劇を見たことはあったが、ダンス公演を見ることは初めてだった。その帰りに夕飯を食べた際、僕はアカデミーレッスンを受けるために再度メンバーとして戻ることを一堂に告げた。そのきっかけが、打ち上げの時にRAに誘われた顔を見て、僕はこれから子どもたちを見守る側になろうと思ったということも。年明けからの新体制が、楽しみになっていた。


クリスマスイブになり、僕はTAと共に食事をした。お互いにクリスマスプレゼントを用意することになっていたので、僕は専門学校時代の友人に相談をしたうえで、アイシャドウとコンディショナーをプレゼントした。

大晦日直前になると、僕は久しぶりに千葉のプロデューサーからの誘いを受けて、打ち上げ参加のために上京。品川駅に降りると偶然にもNRもいたのだが、彼も忘年会の誘いを受けていたのだ。

忘年会はレンタルスペースを借りて、盛大に行われた。NRとお酒を飲むことも、思えば今回が初めてだった。お互い少しほろ酔いになりながらも、一緒に舞台に立った時の思い出話をし、喋り明かした。三次会を終えたときには、朝を迎えていた。プロデューサーやNRたちに別れを告げ、僕は高速バスで名古屋まで戻り、こうして怒涛の2019年も終わりを迎えた。

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