第95話
8月上旬。毎年恒例の3日に及ぶ商店街の夏祭りが始まった。シニア向けフリーペーパーのPRのために、テントを立ててフルーツ缶を販売したのがもう2年前。そしてその1年後である去年は、商店街の途中にある公共施設のホールで市民ミュージカルに出演と、何とも不思議な経験をし、今年の夏は、パフォーマンスグループで活動を共にしているNRやTTが中心となった有志メンバーによるバンド披露、そしてKKが演出を務めるミュージカルという、盛りだくさんだった。
バンド発表の当日、僕らはまず名古屋のレッスンスタジオで最後の通し練習をし、そのまま僕の車に全員分の楽器を詰め込んで、会場へと向かった。会場近くの空き地が搬出入となっており、僕はそこで楽器を下した。別の駐車場に車を停めたTTたちが合流し、そのままステージ裏まで楽器を運び、僕は近くの駐車場に車を停車。
本番直前、ステージに楽器を運んだ後、僕は観客席に座った。そこにはKKたちも来て、一緒にバンド演奏を見た。キラキラと輝きながら、楽器を演奏し歌唱するメンバーたちを見て、マネージャーをやって本当に良かったと思った。その後はファミレスで打ち上げを行ったが、メインの本番は翌日のミュージカルであることだけは忘れてはいけなかった。
翌日。同じ会場では、ミュージカルが公演された。バンドに続いて、歌に踊りに芝居にとステージでパフォーマンスを披露するメンバーを見ながら、僕は舞台下手の音響席で音響オペレーターをしていた。事前にKKと打ち合わせをし、稽古に何度も参加しながら練習をした通り、僕は稽古通りタイミングを間違えることなく、音出しをすることができた。
ステージが終わり片付けをした後、KKの締めの挨拶が終わると、NRとTTは神奈川へと戻っていった。メンバーを卒業したことに伴い、翌週から始まる秋の委託事業市民ミュージカルでは、僕がメンバーリーダーとして復帰することになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます