第55話
功太に言われて麗が持ってきたのは鍋とお玉、包丁とまな板とピーラーだけだった。
麗は自分の不甲斐なさに情けない気持ちになって、少し落ち込んだ。
自分がキャンプなんて提案しなければ、功太が校則まで破って車を出すことはなかったのに…
麗が俯いたのに気付き、功太はどうしたの?と声を掛ける。
麗は思ったことを素直に打ち明け、最後にごめんなさいと言った。
功太はそんなこと気にしないで、と微笑んだ。
麗が困ったような顔をすると、
「今日のこと、麗はすごく楽しみにしてたんでしょ?…二人で楽しい思い出にしようよ」
功太が微笑んだまま、子供にするように麗の頭をポンポンと撫でた。
麗は恥ずかしそうに口を引き結んで、大きくひとつ頷いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます