第31話
―緊張してるのかな?心拍数が上がってきた…
麗は思ってることが伝わってしまわないように声を掛けた。
「功太の手、冷たいね」
「ん?そう?」
「心があったかいんだね」
「そう思う?」
「うん」
「よし。正直者。」
そのまま手を繋いで海まで歩いた。
砂浜に降りる階段まで来ると、功太が足を止めた。
靴に砂が入るよ、と麗を気遣ってその先へは行かないつもりだったようだ。
いくらサンダルでも砂が入るとざらざらして芳しくない。
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