第24話

「面倒見てくれたおばあちゃんが入院してからはどっかの親戚の人が少しの間面倒見てくれたけど…あたしのこと嫌ってたみたいで。」



功太は黙って麗を見つめていた。



「いなくなればいいのにって言われて死のうかと思ったこともあるよ。今だって―――」



「麗」



黙っていた功太が今まで聞いたことのない強い声で麗を呼んで、麗は功太と目を合わせる。



「生きたくても生きられなかった人もいるって、麗が一番よく知ってるよね?…それに、俺は麗に生きていて欲しいよ。それじゃ足りないかな。」



最後の方になると功太は子犬のような切ない瞳をした。

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