第22話
功太の纏う柔らかい雰囲気がそうさせるのか麗は、涌き出た気持ちに素直に自分の過去を話すことにした。
「あたしが5歳の誕生日にね、家族みんなで旅行に行こうってことになって。ほら、隣の県にテーマパークあるでしょ?そこ。」
「うん」
「お父さんとお母さんとの3人家族でね、みんな仲良しだったんだよ」
「うん」
「でも、行きの高速バスが事故を起こして……両親は死んじゃった。私はお母さんが守ってくれてちょっとのケガで済んだの。事故のことは小さかったし、気を失ってたみたいであんまり覚えてないんだ…」
麗は誰もいない水槽の前でガラス越しの魚に手を伸ばした。
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